北方町 (宮崎県)

宮崎県北方町：干支が彩る歴史と自然

宮崎県東臼杵郡に位置していた北方町は、2006年2月20日に延岡市に編入され、現在は延岡市の地域自治区「北方町（きたかたまち）」としてその名を残しています。県北部の山間部に位置し、五ヶ瀬川が町を横断するこの地域は、独特の文化と豊かな自然に恵まれています。

地理

北方町は、延岡市街地の西、日之影[[町]]の東に位置し、五ヶ瀬川と国道218号が町を東西に貫いています。町の周辺には、大崩山や地蔵岳などの山々がそびえ、豊かな自然景観を形成しています。

歴史

1889年5月1日、町村制の施行により北方村として発足しました。その後、1970年11月3日に町制を施行し、北方町となりました。そして、2006年2月20日、延岡市に編入され、地域自治区としての新たな歴史を刻み始めました。

干支の町

北方町は、全国でも珍しい「干支」による住所表記を採用していたことで知られています。1889年の町村制施行時、北方村は単独で自治体として発足したため、他の自治体のように旧村名を大字に置き換えることができませんでした。そこで、地域を区分するために十二支を採用しました。この背景には、当時の戸長の先祖が延岡藩の天文測量方であったことが関係していると言われています。戸長役場のあった地区を「子」とし、時計回りに「亥」まで命名されました。

1980年代には、町おこしの議論の中で、干支を地域区分に用いる例は他にもあるものの、十二支すべてが揃っている例が他にないことが注目され、「日本唯一、干支の町」としてアピールすることになりました。1987年からは、町内の施設に「うさぎ橋」や「ひつじ橋」などの名称が付けられ、国道218号沿いには「干支大橋」や「ひつじトンネル」が建設されました。延岡市への編入後は、地区名が大字に昇格しましたが、住所表記は「延岡市北方町川水流卯682番地」のように、干支が残っています。

産業

北方町には、様々な企業が拠点を置いています。有限会社MIQ、花畑通信工業、MSV・宮崎セキュリティーサービス、株式会社カジタ北方工場など、多様な産業がこの地域を支えています。

地域

教育

かつては、北方町立三椪小学校、城小学校、美々地小学校、北方小学校、上鹿川小学校、下鹿川小学校の6つの小学校と、北方町立北方中学校がありましたが、過疎化に伴い、現在はこれらの学校が統廃合され、延岡市立北方学園となっています。

交通

最寄りの空港は宮崎空港です。かつては、五ヶ瀬川沿いを高千穂鉄道が通っていましたが、2005年9月の台風14号の被害により休止し、2007年9月6日をもって町内の区間は廃止されました。町役場（現在の北方町総合支所）の最寄り駅は川水流駅でした。

鉄道（廃止）：高千穂線：吐合駅 - 曽木駅 - 川水流駅 - 上崎駅 - 早日渡駅 - 亀ヶ崎駅

道路：

一般国道：国道218号
主要地方道：宮崎県道20号北方北郷線、宮崎県道49号北方土々呂線
一般県道：宮崎県道214号上祝子綱の瀬線、宮崎県道215号大保下曽木停車場線、宮崎県道217号早日渡停車場線、宮崎県道218号曽木停車場線、宮崎県道237号北方高千穂線、宮崎県道242号北方インター線

名所・旧跡・観光スポット

湯の谷温泉
ETOランド速日の峰（温泉、風力発電施設、キャンプ）
グラススキーゴーカート
川水流鮎やな（10月〜12月）
よっちみろ屋（国道218号沿い）
* 鹿川渓谷

まとめ

北方町は、その独自の干支による住所表記や豊かな自然、そして歴史的な背景を持つ魅力的な地域です。延岡市の一部となった現在も、その文化と伝統は受け継がれています。訪れる人々を温かく迎え、自然と文化の豊かさを感じさせてくれる場所です。

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