北朝鮮難民救援基金

北朝鮮難民救援基金について

北朝鮮難民救援基金、正式には「Life Funds for North Korean Refugees」は、1998年に設立された日本の特定非営利法人です。この団体は、命の危機から逃れた北朝鮮の難民の人権を支護し、彼らに対する支援活動を行っています。また、アジア人権人道学会にも参加し、国際的な人権問題に取り組んでいます。現在の代表はジャーナリストの加藤博氏です。

設立の背景

この基金は、1990年代に現代表がロシアのシベリア地域で強制労働させられている北朝鮮の木材伐採労働者と出会ったことをきっかけに設立されました。当時、ジャーナリストとして活動していた加藤氏は、目の前にいる人々の困難な状況を知り、同じ思いを抱く仲間たちと共に北朝鮮難民の支援に取り組むことを決意しました。このように、彼の出発点は人権問題を直視することにありました。

主な活動内容

基金設立後まもなくして、1999年には北朝鮮の難民孤児のための収容施設の建設を開始し、「愛のトウモロコシ配給作戦」として、1トンのトウモロコシと米を現地に届ける活動を行いました。2000年には、脱北した3家族、合計8名を救助し、ロシアや東南アジアを経由して日本への入り口を提供しました。

これ以降、日本にルーツをもつ脱北者の救援を続けており、その成果として約100人の北朝鮮の難民が日本に定住することができました。また、韓国、アメリカ、オーストラリアなどへ定住できる道も切り開いています。これらの活動は、国外の非政府組織との連携により、さらなる効果を持っています。

自力で北朝鮮からの脱出を果たした難民に対しては、基金のネットワークや現地の人道支援活動を行っている牧師と連携し、難民を安全な場所へと誘導します。日本に到着した北朝鮮難民には、生活や就学、就職の支援も行っており、2012年からは日本語教室も運営しています。

他にも、必要とされる医薬品や医療機器を北朝鮮に届ける活動も行い、2010年には咸鏡北道の基幹病院に対して緊急支援を実施しました。また、2016年には、在日脱北者学生を支援する「さやか奨学金」を設立し、学びの支援に努めています。

表彰と評価

北朝鮮難民救援基金は、その多様で具体的な支援活動が評価され、2008年に東京弁護士会人権賞を受賞し、2009年にはアメリカ合衆国国務省から自由擁護者賞にノミネートされるなど、国際的にも認知されています。

出版物

団体の活動に関連する書籍も出版されています。2004年には「Are They Telling Us the Truth?」、2013年には『北朝鮮全巨里教化所－人道犯罪の現場』、2016年には『北朝鮮の国家戦略とパワーエリート』が発刊され、教育や啓発に資する資料が提供されています。

このように、北朝鮮難民救援基金は、困難な状況にある北朝鮮の人々を支援すべく、さまざまな取り組みを行っており、今後もその活動が期待されています。

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