北条氏繁

北条氏繁（ほうじょう うじしげ）と北条康成（ほうじょう やすしげ）

北条氏繁とその兄弟康成は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、後北条氏の重要な家臣でした。氏繁は玉縄城主、岩槻城城代、さらには鎌倉代官など、多岐にわたる役職を務めました。

生い立ちと家族

北条氏繁は天文5年（1536年）、後北条氏の家臣であった北条綱成の嫡男として生まれました。彼は、母方の叔父である北条氏康に仕官し、彼の偏諱を受けて「康成」と名乗りました。康成は、後に氏康の娘である七曲殿を妻に迎え、家系を強固なものにしました。

活躍と役職

永禄元年（1558年）に康成の活動が確認され、その後も彼の名は幾度となく歴史に現れます。永禄4年（1561年）には、上杉謙信の小田原侵攻に際し綱成が三崎城に入る中、玉縄城を守る役目を担いました。1564年には、第二次国府台合戦に参加し、その戦闘力が評価されました。

1567年には太田氏資の戦死を受けて岩付城代に任命され、以降は別の役割を担うようになります。さらには1569年、武田信玄の駿河侵攻に対抗して鎌倉代官としての役割を果たし、戦局に影響を与えました。元亀元年には信玄の侵攻に弟と共に迎撃し、元亀2年には綱成から家督を受け継ぎ、氏繁と改名しました。

氏繁は、上杉方との戦いにおいても積極的に行動し、1574年には最前線の城を攻撃するなどしました。しかし、1578年に彼は飯沼城中で病に倒れ、父に先立って亡くなりました。彼の死後は嫡男氏舜が跡を継ぎました。

趣味と印判

氏繁の個性は、印判にも表れています。彼は『易経』からの文言「顚趾利出否」を刻み、それに政治秩序の転換を願う気持ちを込めていました。また、彼は武人としてだけでなく、鷹を飼育することにも能力があり、大名としての資質を表していました。自らの手で『鷹図』などの作品を残し、武人画家としての側面も持っていました。

さらに、氏繁は息子たちに軍陣の作法を教えるために書いた『出陣次第』という冊子を残しており、これは当時の武家故実を知る上で貴重な資料となっています。

まとめ

北条氏繁と康成は、戦国時代という激動の時代にあって、後北条氏の基盤を支えました。氏繁の活躍や彼の思想、文化的な影響は、後の世代にも多大な影響を与えました。

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