北欧映画

北欧映画株式会社の歴史と業務

北欧映画株式会社（Hokuo Eiga Co., Ltd.）は、1950年に設立された日本の映画製作会社であり、1957年に他社と合併するまで存在しました。この会社の設立に携わったのは、中筋藤一という海軍中佐で、三井物産のバックグラウンドを利用して映画業界に参入しました。設立当初、本社は東京都中央区の銀座1-6にある皆川ビルに位置していました。

経営と配給の取り組み

北欧映画株式会社は、スウェーデンの映画だけでなく、フランスやメキシコの作品も積極的に配給しました。このように多岐にわたる映画を取り扱うことで、当時の日本映画界において重要な役割を果たしました。

他の映画会社との協力関係も築いており、ニッポンシネマコーポレーション（NCC）、東宝、松竹、さらには欧米映画（後のヘラルド映画）との共同配給を行いました。その結果、北欧映画株式会社は多様な作品ラインナップを実現し、日本の観客に新しい映像体験を提供しました。

合併とその後

1957年に北欧映画株式会社は、同じく映画業界で活動していたヘラルド映画や大洋映画と合併し、新会社が設立されることとなります。この合併により、北欧映画株式会社は法人としての存在を終えました。合併後、中筋藤一は新会社に参画しましたが、北欧映画株式会社の本社があった場所には、彼が代表取締役を務める北欧商事株式会社が設立されました。

主な配給作品

北欧映画株式会社が日本で配給した作品の中には、スウェーデンの有名監督による映画が多数含まれています。例えば、1945年に製作された『深夜のランデヴー』や、1948年のイングマール・ベルイマン監督の『愛欲の港』、1951年の『令嬢ジュリー』などが挙げられます。

他にも、ドイツのドキュメンタリー映画『世界を敵として』や、フランス/イタリアの映画『悪の塔』、メキシコ映画『肉体の抗議』など、様々なジャンルの作品を日本に紹介しました。これらの作品は、当時の映画業界に新しい風を吹き込み、多くの観客に受け入れられました。

主な作品は以下の通りです。

• - 『深夜のランデヴー』 Möte i natten（1945年）: 監督・主演ハッセ・エクマン
• - 『愛欲の港』 Hamnstad（1948年）: 監督イングマール・ベルイマン、主演ニーネ・クリスティーネ・イェンソン
• - 『令嬢ジュリー』 Fröken Julie（1951年）: 監督アルフ・シェーベルイ、主演アニタ・ビョルク
• - 『悪の塔』 La Tour de Nesle（1955年）: 監督アベル・ガンス、主演ピエール・ブラッスール

これらの作品を通じて、北欧映画株式会社は映画文化の発展に寄与し、多くの映画ファンに影響を与えました。

結論

北欧映画株式会社は、1950年代の日本において重要な映画会社の一つとして、海外映画を広く配給しました。特に北欧映画に焦点を当てましたが、その活動はフランスやメキシコの文化的な作品にも及びました。合併により事業を終了しましたが、その影響は後の角川映画などに引き継がれています。

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