北海道博物館

北海道博物館

北海道博物館（ほっかいどうはくぶつかん、英名: Hokkaido Museum）は、北海道札幌市厚別区の野幌森林公園内に設けられた総合博物館です。2015年（平成27年）4月18日に、従来の北海道開拓記念館などを再編・統合する形で新たな施設として誕生しました。「森のちゃれんが」という愛称で親しまれています。

沿革

当館の直接の前身は、1971年（昭和46年）4月15日に北海道百年記念事業の一環として開館した北海道開拓記念館です。同館は国立の施設でしたが、2013年（平成25年）11月4日をもって休館しました。その後、北海道が策定した「北海道博物館基本計画」に基づき、大規模な改修が実施されるとともに、北海道立アイヌ民族文化研究センターが統合されました。この過程を経て、名称を現在の「北海道博物館」と改め、改めて開館したものです。

建築について

現在の建物は、前身である北海道開拓記念館として建設されたものです。1970年（昭和45年）12月に竣工しました。設計は佐藤武夫設計事務所（現在の佐藤総合計画）が手掛け、施工は戸田建設が担当しました。建築面積は4,107平方メートル、延床面積は8,875平方メートルに及びます。構造は鉄筋コンクリート造を主体とし、一部に鉄骨鉄筋コンクリート造が採用されています。その建築的な評価は高く、1972年には第13回BCS賞、翌1973年度には日本建築学会賞作品賞を受賞しています。

展示と活動

北海道博物館は、北海道の多様な側面を紹介する総合博物館として機能しています。常設展示はその大部分を考古学を含む歴史学や民俗学に関する内容が占めていますが、動物学や植物学といった自然史分野の学芸員も配置されており、人文科学と自然史科学の両領域にわたる調査研究活動や社会教育活動を展開しています。

常設展示室は1階と2階にわたって設けられており、北海道の成り立ちや人々の営みを、時代を追って、また多角的な視点から紹介しています。主なテーマ構成は以下の通りです。

1階
プロローグ：北と南の出会い
第1テーマ：北海道120万年物語（地質時代から旧石器時代）
第2テーマ：アイヌ文化の世界
2階
第3テーマ：北海道らしさの秘密（開拓と産業、生活）
第4テーマ：わたしたちの時代へ（現代）
第5テーマ：生き物たちの北海道（自然史）

このほか、期間限定の特別展示室も設けられています。館には考古学、保存科学、自然科学、文化人類学・文化史、歴史学など、多様な専門分野を持つ学芸員が在籍し、展示解説や調査研究を担っています。現在の館長は石森秀三氏です。

館内施設

館内には、展示室のほかにも様々な施設が配置されています。

地下階：はっけん広場、講堂
1階：グランドホール、記念ホール、チケット売場、総合展示室の一部、ミュージアムショップ、カフェ
中2階：休憩ラウンジ
2階：総合展示室の一部、特別展示室

利用案内

観覧時間: 5月～9月は9時30分から17時まで、10月～4月は9時30分から16時30分までです。いずれも入館は閉館時間の30分前までとなっています。
休館日: 毎週月曜日（月曜日が祝日や振替休日の場合は、その直後の平日が休館となります）、年末年始（12月29日から1月3日まで）
観覧料（常設展示）: 一般600円（10名以上の団体は500円）、高校生・大学生300円（10名以上の団体は200円）です。小中学生、65歳以上の方、障害者手帳をお持ちの方とその付添い1名は無料となります。
交通アクセス: 公共交通機関を利用する場合、JR千歳線新札幌駅に隣接する新札幌バスターミナルから、JR北海道バス（新22系統「開拓の村線」など）に乗車し、「北海道博物館」バス停で下車するのが便利です。所要時間は約15分程度です。かつてはJR札幌駅からの直通バスもありましたが、現在は運行されていません。また、JR函館本線森林公園駅からも徒歩約20分ほどでアクセス可能です。新札幌駅からのバスは森林公園駅を経由します。

その他

北海道博物館は、1980年にカナダのロイヤル・アルバータ博物館と姉妹館提携を結んでいます。また、歴代の館長としては、初代の犬飼哲夫氏をはじめ、丹保憲仁氏、堀達也氏などが務めてきました。

当館は、野幌森林公園の豊かな自然の中に位置しており、近隣には北海道開拓の村など関連施設もあります。

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