北海道大演習場

北海道大演習場について

北海道大演習場（ほっかいどうだいえんしゅうじょう）は、北海道の札幌市や北広島市、恵庭市、千歳市にまたがる地域に設置された陸上自衛隊の演習場群のことを指します。この演習場は、国内で矢臼別演習場に次ぐ規模を誇る重要な訓練施設です。

概要

陸上自衛隊が運営する北海道大演習場は、広大な面積を持ちながらも、地理的な特性によりいくつかの地区に分かれています。全体の面積は9600ヘクタールに及び、各地区は戦車や装甲車などを用いた実弾射撃訓練が可能な小規模および中規模の演習地区に分かれています。また、この演習場は、部隊によって「北大演（ほくだいえん）」と略称され、戦術訓練や実戦に近い状況下での訓練が行われています。

地政学的要件

北部方面隊に属する第7師団や第11旅団は、石狩平野の国道36号沿いに駐屯地や演習場を配置しており、これにより北海道の重要な都市圏を防衛する体制を構築しています。この配置は、旧ソ連との緊張関係において、石狩平野が太平洋側へのアクセスルートになりうるため、防衛上の戦略的価値も含まれています。

演習場の詳細

全ての地区はそれぞれ特有の特徴があり、次のように概要が分かれています。

• - 東千歳地区: この地区は東千歳駐屯地に隣接しており、実弾を用いた「実弾下潜入訓練」が可能な唯一の訓練場が設置されています。
• - 恵庭・千歳地区: 北千歳と南恵庭駐屯地の直近にあり、演習場へのアクセスも容易です。
• - 島松地区: 北大演の中で最大の面積を持ち、特科や迫撃砲の射撃訓練が可能なほか、戦車や対戦車誘導弾による実弾射撃が行われます。
• - 島松着弾地: 航空自衛隊の航空機を用いた実弾射撃訓練が行われる場所です。
• - 有明地区: 有明演習場として知られ、多様な訓練が行われています。
• - 西岡地区: 冬季はバイアスロン競技の場としても利用されています。
• - 真駒内地区: 小規模の戦闘訓練や小銃射撃訓練に広いスペースが提供されています。
• - 銭函地区: 山間部に位置し、地形を活かした各種訓練が実施されています。冷戦時代には石狩湾への警戒が主な目的でした。
• - 江別渡河訓練場: 渡河訓練の中心地で、敵の警戒や防御を想定した訓練が行われます。

演習事例

演習場では、第7師団が主催する戦車射撃競技会など、さまざまな訓練や競技が展開されています。これにより、陸上自衛隊は実戦に即した能力を向上させています。

結論

北海道大演習場は、その広大なエリアと多様な訓練機能を有しており、陸上自衛隊の防衛能力の向上に寄与しています。地理的特性や訓練の多様性から、今後も重要な役割を果たすことでしょう。

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