北海道文学大事典

『北海道文学大事典』は、北海道文学館の編纂、北海道新聞社の発行により1985年に刊行された文学事典です。北海道の文学に関わる人物、雑誌、事項を幅広く収録し、北海道文学の研究において重要な役割を果たしています。

概要

事典の刊行は1983年の北海道文学館総会で決定され、翌年には編集委員会が発足し、編集作業が進められました。構成は『日本近代文学大事典』を参考にしています。編集委員長であった更科源蔵は、刊行直前に逝去されました。

事典の構成は以下の通りです。

写真口絵
刊行の辞
執筆者一覧
凡例
人名編
雑誌編
事項編
北海道文学略年表
索引
編集後記
奥付

収録内容

事典には3,139項目（人名編2,283、雑誌編718、事項編138）が収録されており、340名の執筆者が携わっています。

人名編: 北海道にゆかりのある作家を網羅的に収録。
雑誌編: 北海道で発行された雑誌を紹介。同人雑誌から大学紀要まで幅広く収録。
事項編: 文学賞、文学碑、文学史など、北海道文学に関連する様々な事柄を詳述。
* 北海道文学略年表: 明治から昭和59年までの北海道文学の年表を掲載。

インターネット公開

事典のうち、人名編と北海道文学略年表は、誤記訂正と補足を行い、北海道立文学館のウェブサイトで公開されています。雑誌編と事項編についてもインターネット公開が予定されています。

補遺

事典の人名編の続編として、『北の表現者たち2014』が2014年に刊行されました。本編では、『北海道文学大事典』の人名編には収録されていない497名が収録されています。

評価

『北海道文学大事典』は、図書館のレファレンスサービスにおいて、北海道文学に関する代表的な事典として評価されています。都道府県を単位とする文学事典としては初の試みであり、その意義は大きいと言えるでしょう。一方で、項目によっては記述に不備が見られる点や、索引の使い勝手など、批判的な意見も存在します。

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