北瀬佳範

北瀬佳範：ゲーム業界の巨匠

北瀬佳範（きたせ よしのり）は、1966年9月23日生まれの日本のゲームプロデューサーであり、株式会社スクウェア・エニックスの取締役、執行役員、そして第一開発事業本部長を務めています。また、スクウェア・エニックス・ホールディングスの取締役も兼任しており、同社の重要な経営幹部の一人です。特に、世界的に人気の高い『ファイナルファンタジーシリーズ』のプロデューサーとしてその名を知られています。

生い立ちとキャリアの始まり

幼少期、映画好きの父親の影響で洋画に親しみ、12歳で観た『スター・ウォーズ』が、映画を「観る」だけでなく「創る」ことへの興味へと繋がりました。この経験から、映画制作を志し、日本大学芸術学部映画学科に進学し、アナログ映画の制作技術を学びました。大学卒業後は、アニメーション作家が運営するスタジオに就職し、映像制作の現場を経験しますが、約1年で退職しています。

スクウェア・エニックスでの活躍

アニメーション業界での経験が、ストーリー性のあるエンターテイメントコンテンツ制作への関心へと繋がりました。1990年3月、スクウェア（現スクウェア・エニックス）に入社。『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』、『ロマンシング サ・ガ』といった初期の作品開発に携わった後、『ファイナルファンタジーV』でプロデューサーの坂口博信氏と共にイベント制作を担当しました。その後、『ファイナルファンタジーVI』ではディレクターを務め、その手腕を発揮しました。

『ファイナルファンタジーVII』以降は、坂口氏がプロデューサー業務に専念することになったため、制作全般を北瀬氏が担うようになりました。『ファイナルファンタジーVIII』でも引き続きディレクターを務めましたが、開発スタッフの増加に伴い、現場での作業は減り、プロデューサーとしての役割が増加しました。

『ファイナルファンタジーX』以降は、シリーズ全体のプロデューサーとして活躍し、2021年4月には、橋本真司氏からファイナルファンタジーシリーズのブランドマネージャーを引き継ぎ、シリーズの方向性を決定する重要な役割を担っています。

主な作品

北瀬佳範氏は、数々のビデオゲームの開発に携わってきました。特にファイナルファンタジーシリーズでは、そのクリエイティブな才能を発揮し、シリーズの進化に大きく貢献しています。

ビデオゲーム
聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜
ロマンシング サ・ガ
ファイナルファンタジーV
ファイナルファンタジーVI（ディレクター）
ファイナルファンタジーVII（ディレクター）
ファイナルファンタジーVIII（ディレクター）
ファイナルファンタジーX（プロデューサー）
以降のファイナルファンタジーシリーズ

まとめ

北瀬佳範氏は、映画への愛情を原点に、ゲーム業界で独自の道を切り開いてきました。その創造性とリーダーシップは、『ファイナルファンタジーシリーズ』を世界的なブランドへと押し上げる原動力となっています。スクウェア・エニックスの重役として、これからもゲーム業界の発展に大きく貢献することが期待されます。

参考文献

志田英邦、松井友生『ゲーム・マエストロ〈VOL.4〉デザイナー/イラストレーター編』毎日コミュニケーションズ、2001年。
『ファイナルファンタジーX アルティマニア オメガ』スクウェア・エニックス、2004年。
『ファイナルファンタジーVIII アルティマニア』スクウェア・エニックス、2004年。
『クライシス コア -ファイナルファンタジーVII- アルティマニア』スクウェア・エニックス、2007年。
「総力特集 ファイナルファンタジーVIII」『週刊ファミ通』1998年6月5日号、アスキー。
「コンピレーション オブ FFVII SPECIAL INTERVIEW」『電撃PlayStation』2005年6月24日号、メディアワークス。
「2週連続 1週目 『FF』新作 SCOOP!!」『週刊ファミ通』2014年6月26日号、KADOKAWA。

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