北爪やよひ

北爪やよひのプロフィールと経歴

北爪やよひ（きたづめ やよひ）は、1945年3月26日に東京で生まれた日本の作曲家です。音楽一家の長女として、父の北爪利世と母の和喜の影響を受け、音楽に親しむ環境で育ちました。父はクラリネット奏者であり、母はピアノと歌を学んでおり、家族全体が音楽に従事していました。また、やよひは作曲家である北爪道夫の姉でもあります。

教育と音楽活動の始まり

やよひは幼少期から母からピアノの指導を受け、東京芸術大学に進学。ここで作曲と音楽理論を池内友次郎や矢代秋雄に学びました。在学中、フランスのクラリネット奏者ジャック・ランスロによって、「クラリネットとピアノのためのソナチネ」が取り上げられ、多くの人々に認知される契機となります。1970年には音楽之友社主催の吹奏楽曲懸賞で優秀賞を受賞し、1971年には東京芸術大学大学院を修了。その後、作曲家として本格的に活動をスタートしました。

影響を受けた体験と独自の作品世界

彼女は1972年に発表した「アンディス'72」で新たなスタートを切った後、ハンガリーでコダーイ・システム・セミナーに参加し、日本のわらべ歌を再発見。その影響を受けて、「エネク」シリーズを発表しました。これは、ハンガリー語で「歌う」を意味する「énekel」に由来し、自然な歌の表現を追求した作品です。1974年に再興した深新会では、「エネクI」を発表し、以降も数多くの作品を展開し続けました。彼女の「エネク」シリーズは、2015年までに11作品に及び、様々な編成で自然な歌を追求しています。

主な活動と展覧会

1989年には横浜での個展を開催し、1991年には東京現代音楽祭において入選を果たすなど、多くの舞台で活動を行いました。2000年に開催した作曲家大田桜子との二人展では、音楽の即興性や身体性に対する関心も広がり、独自の音楽観を築いていくこととなります。

作品一覧

やよひの音楽作品は、管弦楽曲、吹奏楽曲、声楽、室内楽、ピアノ曲、邦楽曲、打楽器曲など多岐にわたります。特に注目されるのは、吹奏楽の代表作「前奏曲」や、児童合唱の作品、「音は移るよ 波うつよ 我らは地球のうんてん手」などです。彼女の作品は、聴く人々に深い感動を与え、多くのミュージシャンから高い評価を得ています。

音楽教育者としての活動

北爪やよひは、作曲活動だけでなく、音楽教育にも力を入れ、黒子のような存在となり多くの若手音楽家を支えてきました。その功績は、後進に残すべき重要な資料となり、彼女の音楽教育への情熱は次世代へと継承されています。

まとめ

北爪やよひは、豊かな音楽的背景と多彩な音楽活動を通じて、日本の音楽界に新たな風を吹き込んできた作曲家であり、教育者です。彼女の作品は、ただの音楽としてではなく、聴く人々の心に響く深いメッセージを持ち続けており、多くの人々に感動を与えています。

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