北葉山英俊

北葉山英俊について

北葉山英俊（きたばやま ひでとし、1935年5月17日 - 2010年7月20日）は、北海道室蘭市出身の大相撲力士です。本名は山田英俊（やまだ ひでとし）で、最高位は東大関です。彼は時津風部屋に所属し、数々の記録を打ち立てました。

還歴

北葉山は1935年、北海道函館市に生まれ、間もなく室蘭市へ移ります。若い頃から相撲の腕を磨き、中学校では相撲部の主将として大会での活躍を収めましたが、家庭の事情で卒業後は富士製鉄で働いていました。相撲の道に進む夢を捨てきれず、伯父に相談の後、家出同然で東京へ向かい、憧れの時津風部屋に入門しました。初土俵は1954年5月でした。

北葉山はその小さな体格から初めは期待されていませんでしたが、瞬く間に才能を開花させ、驚くべき成績を収めました。昇進当初は新十両に昇進し、全勝優勝を果たし、さらには新入幕を経験しました。入幕後の1959年7月には小結に昇進し、以降12場所で三役の位置を保持しました。

大関への道

1961年には大関に昇進し、その前の3場所の成績はあまり良くなかったため、本人も昇進を驚いて受け入れたと言われています。大関昇進後には、1963年7月場所で13連勝を達成し、優勝決定戦を制して初優勝を果たしました。この結果、彼は一躍名を馳せました。しかし、この後は怪我なども影響し、次第に成績が落ちていきました。1966年5月場所を最後に引退し、30場所の大関在位で当時の最多記録を保持しました。

引退後の活動

現役引退後は、時津風部屋の親方として後進の指導に尽力し、審判委員や日本相撲協会の理事も務めました。しかし、1998年の理事選挙では不運にも落選しています。2000年には役員待遇委員となり、少しの休息の後、同年5月に定年退職しました。

人物像

北葉山は相手の力を巧みに利用した取り口で知られ、特に「うっちゃり」が得意でした。土俵際の際どい戦いも多く、相手を翻弄する姿が印象的でした。加えて、他の力士との対戦成績も優れており、大鵬や柏戸にも健闘していました。彼の相撲には執念と粘り強さが認められ、晩年には多くの名エピソードが語られています。

エピソード

少年時代から相撲の道を夢見ていた彼は、自身の体格に不安を覚えていましたが、鍛冶屋での厳しい仕事を通じて腕力を鍛え、時津風部屋に入門しました。また、村田英雄との関係も深く、彼の代表作の一つである「男の土俵」では北葉山がモデルの一人として知られています。

主な成績

通算成績は525勝327敗、幕内では396勝273敗、そして大関としての成績は250勝179敗でした。三役在位は12場所で、三賞受賞も数回経験しています。特に1961年には殊勲賞を受賞しました。

最後に

北葉山は2010年7月20日に肝臓癌のため、75歳で亡くなりました。その生涯は数々の功績と共に、後進たちへの指導に力を尽くしたものであり、その存在は多くの人に記憶されています。

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