北陸配電

北陸配電株式会社の概要

北陸配電株式会社は、1942年に日本の電力会社として設立され、太平洋戦争中から戦後にかけて北陸3県を中心に電力供給を行いました。本社は富山市に位置しており、配電業務に特化した事業形態を持っていました。本社設立の背景には、戦時中の電力業界における統制と再編成の動きがあります。

設立の背景

北陸配電は、戦時中の配電統制令に基づいて設立されました。この時期、日本では電力供給の統制が進められており、全国に9社の配電会社が設立されました。北陸配電は、その中の一社として北陸地方、具体的には富山県、石川県と福井県（若狭地方を除く）を配電範囲としました。

設立の準備は1941年から始まり、戦争が激化する中で、民間電力会社の自主統合によって北陸合同電気が設立され、その後この会社を基盤に北陸配電が設立される運びとなりました。1942年4月1日に北陸配電が正式に発足し、各種電力供給資産を引き継ぎました。

統合と事業展開

北陸配電の発足当初、直ちに全ての配電事業が統合されたわけではなく、段階的に統合が進められました。1942年12月および1943年3月に2回の追加統合が行われ、最終的に9つの事業者を吸収しました。これにより北陸地域の配電業務が強化され、地域内の電力供給が向上しました。

また、北陸配電は日本発送電と提携し、発電及び送電部門を分担し、地域内の電力供給を一手に管理しました。戦時下では供給先が軍需産業に偏ったため、北陸配電は電力供給の主要な役割を果たしました。

戦後の経営と解散

戦後、北陸配電は経営の変革を余儀なくされ、1946年に設立以来の副社長が退任し、新たな経営陣が形成されました。しかし、1949年には日本の電気事業全般を見直す動きが始まり、過度経済力集中排除法の指定を受け、再編成の議論が続きました。これに伴い、1951年には電気事業再編成令が公布され、北陸配電もこの流れに沿って解散することになります。

北陸配電は1951年5月1日に解散し、北陸電力株式会社として再編成が行われました。新たに設立された北陸電力は、旧北陸配電の設備と日本発送電及び中部配電からの一部設備を継承し、北陸地方全域を供給区域としました。

結論

北陸配電株式会社は、戦時中および戦後の日本における電力供給の重要な一翼を担いました。その設立から解散までの間に、地域の電力供給を安定させる役割を果たし、経済の発展に寄与しました。現在の北陸電力へとつながる道筋を築いたその歴史は、地域の電力業界にとっての重要な基盤となっています。

もう一度検索