医療金融公庫

医療金融公庫（いりょうきんゆうこうこ）について

医療金融公庫は、1960年（昭和35年）7月1日に設立された、かつて存在した特殊法人です。その設立は、医療金融公庫法という法律に基づいており、国民の健康な生活を支えるための医療の普及と向上を目的としていました。

概要

医療金融公庫の主な役割は、民間病院や診療所などの医療機関に対し、長期かつ低利の資金を融通することでした。これは、一般の金融機関では対応が難しい、医療施設の設置や機能向上に必要な資金を供給することで、医療サービスの発展を促すためです。公庫の資本金は、全額政府からの出資によって賄われていました。

しかし、1985年（昭和60年）1月1日、社会福祉・医療事業団法によって、医療金融公庫は解散することになりました。その一切の権利と義務は、社会福祉・医療事業団が引き継ぎました。この組織再編により、医療分野における資金供給体制が新たな段階へと移行しました。

業務内容

医療金融公庫は、主務大臣の認可を受けた業務方法書に基づいて、以下の業務を行っていました。

医療機関への資金貸付:
病院、診療所、薬局などの医療施設を開設する個人や医療法人、特定の法人に対し、施設の設置、整備、運営に必要な資金を貸し付けていました。これにより、新たな医療施設の設立や既存施設の拡充を支援しました。

会計

医療金融公庫は、毎事業年度の利益を国庫に納付する義務を負っていました。一方で、政府からの借入金も可能であり、これにより、安定的な資金調達を行っていました。

関連項目

医療金融公庫に関連する事項として、以下のものがあります。

精神科: 医療金融公庫は、精神科医療施設の整備にも資金を供給しており、精神科医療の発展にも貢献しました。
宇都宮病院事件: 社会的な問題となった宇都宮病院事件は、医療体制や医療機関の運営に関する課題を浮き彫りにしました。この事件は、医療金融公庫の役割や責任についても再考を促す一因となりました。
* 小笠原清忠: 医療金融公庫には、職員として小笠原清忠氏が勤務していました。彼の存在は、公庫の歴史を語る上で重要な要素の一つです。

医療金融公庫は、その活動を通じて、日本の医療制度の発展に重要な役割を果たしました。その解散後も、その理念と活動は、社会福祉・医療事業団へと引き継がれ、現在の医療体制にも影響を与え続けています。

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