公庫

公庫とは

公庫とは、政府系の金融機関のうち、金庫や特殊銀行を除く特殊法人のことを指します。これらの機関は、政府が全額出資しており、一般の金融機関では融資を受けることが難しい分野に対して、自ら融資を行ったり、融資を受けやすくするための保証を行うことを主な目的としています。

現在、公庫として存在するのは沖縄振興開発金融公庫のみです。これは、琉球開発金融公社を日本政府が承継した際の、資産から負債を差し引いた額が出資金となっています。しかし、株式会社日本政策金融公庫にも名前が残っていることから、その歴史と役割は非常に重要です。

公庫の設立目的

公庫の主な目的は以下の2点です。

一般の金融機関から融資を受けることが困難な分野への融資: 民間の金融機関ではリスクが高いと判断されやすい分野に対して、積極的に資金を供給します。これにより、経済成長や社会的な課題解決を促進します。
一般の金融機関からの融資を円滑にするための保証: 融資を希望する事業者や個人が、民間の金融機関から融資を受けやすくなるように保証を行います。これにより、中小企業や個人事業主の資金調達を支援します。

現存する公庫

沖縄振興開発金融公庫: 沖縄県の経済振興を目的とした金融機関です。

改組・廃止された公庫

かつては、以下のような様々な分野を支援する公庫が存在していましたが、多くは再編や廃止されました。

医療金融公庫: 1985年に解散し、社会福祉・医療事業団に事業を承継しました。
中小企業信用保険公庫: 1999年に解散し、中小企業総合事業団に事業を承継しました。
環境衛生金融公庫: 1999年に解散し、国民生活金融公庫に事業を承継しました。
北海道東北開発公庫: 1999年に解散し、日本政策投資銀行に事業を承継しました。
住宅金融公庫: 2007年に廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構に事業を承継しました。
公営企業金融公庫: 2008年に解散し、地方公共団体が共同で設立する地方公営企業等金融機構に事業を承継しました。
国民生活金融公庫: 2008年に解散し、株式会社日本政策金融公庫に事業を承継しました。
中小企業金融公庫: 2008年に解散し、株式会社日本政策金融公庫に事業を承継しました。
農林漁業金融公庫: 2008年に解散し、株式会社日本政策金融公庫に事業を承継しました。

復帰前の沖縄における公庫

復帰前の沖縄では、大衆金融公庫法（1954年立法第40号）に基づく大衆金融公庫が設立されていました。このように、沖縄においては、復帰前から公庫の制度が活用されていました。

予算及び決算

公庫は、毎事業年度ごとに予算を財務大臣に提出し、閣議決定と国会の議決を経て内閣から通知を受けます。また、決算期には財務諸表について財務大臣の承認を受ける必要があります。これらの手続きは、「沖縄振興開発金融公庫の予算及び決算に関する法律」に定められています。

まとめ

公庫は、政府の政策目標を達成するために重要な役割を担ってきた金融機関です。時代とともにその形は変化してきましたが、その精神は現在も受け継がれています。

関連項目

公企業

外部リンク

沖縄振興開発金融公庫
公営企業金融公庫
国民生活金融公庫
中小企業金融公庫
農林漁業金融公庫
住宅金融支援機構
特殊法人等整理合理化計画

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