十七世神

十七世神（とおあまりななよのかみ）

十七世神は日本神話に登場し、大国主神に関連した神々の総称です。この神々は主に『古事記』に記されており、その系譜は非常に複雑で興味深いものです。十七世という名称は、神々の世代の数を示すものであるとされますが、実際には確認できる神々の数は十六柱に過ぎません。この矛盾の理由は明確ではなく、考古学者や神話学者の間で様々な解釈がなされています。

『古事記』には大国主神の系譜が詳しく記載されており、その他の古文献、例えば『出雲国風土記』などにも関連する神々の名前が見受けられますが、系譜が示された箇所には多くの疑問が残ります。特に、鳥鳴海神以降の神々は確認できず、不明な点が多いのです。これらのことから、十七世神の神々に関する理解は非常に限られているのが現状です。

系譜の概要

十七世神の系譜は、建速須佐之男命から始まります。彼は櫛名田比売と結婚し、その後八島士奴美神を授かります。この神がさらに木花知流比売と結婚し、布波能母遅久奴須奴神を産む等、神々のつながりが続いていくわけです。続いてこの神は日河比売を娶り、深淵之水夜礼花神を産みます。このようにして系譜は延々と続きます。

最終的には、多くの神々が誕生し、その中には大国主神や鳥鳴海神も含まれます。大国主神は神々の中でも特に重要視され、彼の異母兄弟には八十神が存在するとされています。系譜の中には他の神々と結婚して子を儲ける過程が詳述されており、特に注目すべき点はそれぞれの神の役割や関連性が不明なことです。このため、それぞれの神の意義を解明することは難しいとされています。

考証と解釈

『古事記』における神々の系譜は大国主神の性格付けに関連しており、天皇系譜との対比を通じてその意義が示されているという見解もあります。出雲地方の神話は国土神から水の神へと進化を遂げた背景があるとの考え方も存在しています。さらに、神々の祝福が豊かな自然環境をもたらしたいという人々の願いを反映しているとの説も支持されています。

十七世神という名称自体は、神々が代代を重ねるなかで人々により近い存在となったことを示唆しているとも言われています。このように、系列が変わることで神々の性格や影響が変わり、人々との距離が縮まったことは、神話の解釈において非常に重要な要素となっています。

参考文献

• - 近藤敏喬『古代豪族系図集覧』 東京堂出版、1993年

十七世神の定義や系譜についての理解は、神話の深淵を探るカギとなることでしょう。日本の古代神話に触れることで、新しい視点で歴史を考える機会にもなります。

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