木花知流比売

木花知流比売（コノハナチルヒメ）

概要

木花知流比売は、日本神話に登場する女神で、『古事記』にのみ記述が見られる国津神です。『日本書紀』には記述がなく、事績に関する詳しい記述も名称や系譜以外にはほとんどありません。ただし、粟鹿神社の書物『粟鹿大明神元記』には、木花知利比売（コノハナチリヒメ）と表記されています。

彼女は、大山津見神の娘の一柱であり、木花之佐久夜毘売や石長比売などと同じく、大山津見神の子供です。その後、八島士奴美神の妃となり、子をもうけています。

「木花」は桜の花を意味し、「知流」は散ることを意味することから、木花知流比売の名前は「桜の花が散ること」を象徴していると考えられています。この「花が散る」という特徴は、彼女の子である布波能母遅久奴須奴神にも受け継がれているとされています。

系譜

木花知流比売は、大山津見神の娘であり、須佐之男命が大山津見神の孫である櫛名田比売命を娶って生まれた神、八島士奴美神の妃となりました。そして、二神の間には布波能母遅久奴須奴神が生まれています。この系譜から、彼女が神話の中で重要な役割を担っていたことが伺えます。

その他

新潟県新潟市北区の海辺の森には、「木花知流姫」と名付けられた桜の木が存在します。この桜は、地域の人々に親しまれており、女神の名前が現代にも受け継がれていることを示しています。

脚注

出典

西宮一民 校注『古事記』新潮社〈新潮日本古典集成（新装版）〉、2014年10月30日。ISBN 978-4-10-620801-0。
海辺の森 (2018年4月12日). “「四季の森」の桜がもうすぐ開花します。 | 海辺の森 | 海辺の森”. 特定非営利活動法人 森の会. 2024年8月28日閲覧。

参考文献

西宮一民 校注『古事記』新潮社〈新潮日本古典集成（新装版）〉、2014年10月30日。ISBN 978-4-10-620801-0。

関連項目

十七世神

外部リンク

* 木花知流比売 – 國學院大學 古典文化学事業

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