十世王

十世王について

十世王（とおよおう）は、平安時代前期に生きた皇族で、天長10年（833年）に生まれ、延喜16年7月3日（916年8月4日）に84歳で生涯を終えました。彼は桓武天皇の孫にあたる仲野親王の子供で、宇多天皇の外叔父という特異な家系に属しています。その時代において、官位は従三位・参議に至り、その生涯を通じて宮廷での貢献を重ねました。

経歴

十世王は、50歳を過ぎるまで何の官位も持っていませんでしたが、元慶8年（884年）に彼の姉妹の夫である時康親王が即位した際、従四位下に直叙され、その後は中務大輔に任命されます。特に甥である宇多天皇の治世において、彼はその政治的影響力を強化しました。

また、寛平2年（890年）には従四位上、寛平8年（896年）には正四位下へ昇進、さらに寛平9年（897年）には65歳にして参議に就任します。これにより、公卿の仲間入りを果たし、宮内卿として約25年間、重要な役割を果たしました。延喜10年（910年）には従三位に至り、彼の官歴は非常に力強いものとなりました。

十世王は、延喜16年（916年）にこの世を去るまで、多くの貢献を行い、彼の人生はその時代の平安を守るために尽くした軌跡で彩られています。

人物

興味深いことに、彼は歯に問題を抱えていたため、堅い食物を摂取できず、重湯だけを飲んで生活していました。その重湯に乾石決明（干し鮑の屑）を加えて健康管理をしていたというエピソードも伝わっています。高齢にもかかわらず彼は健康を維持し続け、昌泰元年（898年）には祈雨のために伊勢神宮への奉幣使として派遣され、騎馬に乗って出発しています。これはその年齢にもかかわらず、活動的であったことを物語っています。

官歴

十世王の官歴は、文献によると以下のようになります：

• - 元慶8年（884年）：従四位下（直叙）
• - 元慶9年（885年）：中務大輔
• - 仁和3年（887年）：兼加賀権守
• - 寛平2年（890年）：従四位上
• - 寛平3年（891年）：宮内卿
• - 寛平5年（893年）：兼伊予権守
• - 寛平8年（896年）：正四位下、兼越前権守
• - 寛平9年（897年）：参議、宮内卿
• - 昌泰元年（898年）：備後権守
• - 延喜3年（903年）：兼伊勢権守
• - 延喜8年（908年）：兼越前守
• - 延喜10年（910年）：従三位
• - 延喜13年（913年）：兼播磨守
• - 延喜16年（916年）：薨去（参議従三位行宮内卿兼行播磨守）

系譜

彼の家族に関して述べると、父は仲野親王であり、母についての記録は残っていません。彼には数人の男子（時世王、時相王、時清王）と一人の女子（徳姫女王、宇多天皇の更衣）がいました。

十世王の生涯は、平安時代の文化や政治に深く関与したものであり、彼の存在は後の世にわたって多くの影響を与えました。

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