十二指腸

十二指腸の解説

十二指腸（じゅうにしちょう、Duodenum）は、消化管の一部で、胃と小[[腸]]を結びつける重要な役割を果たします。全体の形状はC字型で、長さは約25cmです。大部分が後腹膜に固定されており、可動性はほとんどありません。この部位は、消化プロセスにおいて非常に重要です。

名称の由来

十二指腸という名称は、医学書『ターヘル・アナトミア』が和訳された際に作られた用語の一つです。この名称の起源は、紀元前300年頃にギリシャ人医師ヘロフィロスによって発見され、その名はギリシャ語の「δώδεκαδάκτυλον」に由来します。この言葉は「12」と「指」という意味を持っており、指の幅の12倍程度の長さがあることを示しています。後にラテン語の「duodenum digitorum」と翻訳され、英語などでもこの由来を引き継いでいます。

解剖学的構造

十二指腸は4つの部分に分けることができます：

1. 上部（第一部）: 胃の幽門から続く部分で、右側へ向かいます。この部分の始まりは十二指腸球部と呼ばれ、肝臓と間に小網が存在します。十二指腸球部は潰瘍が発生しやすい部位でもあります。

2. 下行部（第二部）: 上部の続きで、下向きに伸びています。この部分には膵液が流入するファーター乳頭（大十二指腸乳頭）や副膵管小十二指腸乳頭が開口しています。

3. 水平部（第三部）: 下行部の続きで、左側に向かう部分です。

4. 上行部（第四部）: 単に上に向かう部分で、空腸へ移行していきます。上行部はトライツ靭帯（十二指腸提筋）によって上方に固定されています。

主な機能

十二指腸の主な役割には、次のようなものがあります：

• - 運動機能: 蠕動運動、分節運動、振子運動を通じて内容物を移動させます。
• - 消化・吸収: 胃から送られた食物をさらに消化し、小[[腸]]へ伝えます。
• - 腸液とホルモンの分泌: 消化を助ける腸液やホルモンを分泌します。

消化過程では、膵臓から分泌されるトリプシンやキモトリプシンなどの消化酵素を含む膵液が、ファーター乳頭を通じて十二指腸に放出されます。これにより、食物中のタンパク質がジペプチドなどに分解されます。さらに、胆汁は脂肪の乳化を助け、膵液リパーゼが脂肪をグリセロールと脂肪酸に分解します。胆汁の分泌は、オッディ括約筋によって調節され、消化管ホルモンであるコレシストキニンがこのプロセスを支援しています。

まとめ

十二指腸は消化過程において重要な役割を果たすだけでなく、歴史的な名称の由来も興味深い消化管です。この部位に関する理解は、消化器全体の機能を理解する上でも重要な要素となります。

もう一度検索