十字屋 (百貨店)

株式会社十字屋（JUJIYA Co., Ltd）

株式会社十字屋は、百貨店や商業施設を運営していた日本の企業で、1923年に神奈川県平塚市にて衣料品の店舗「十字屋呉服店」として創業しました。その後、1935年に株式会社化し、1951年には十字屋協同組合を設立し、チェーンストアとしての基盤を築きました。

沿革と成り立ち

会社の成長は1960年代にピークを迎え、1961年には東京証券取引所市場第二部に上場。1967年には百貨店に転換し、営業時間も広がります。1971年には大丸との提携により、共同事業が開始され、商品券の相互利用やプライベートブランドの導入を進めました。このように、十字屋は日本中で店舗を展開し、特に東京都、栃木県、千葉県、宮城県などで多くの支店を持っていました。

しかし、1980年代からは時代の流れとともに、業績が低下し始めました。小型店や新たな競合の出現、高速道路の整備による顧客の流出などが影響しました。特に、1990年代に入ると、不採算店舗の整理や業態変更が求められ、最終的には2004年に親会社のダイエーが経営再建策の一環として十字屋の経営権を他社に譲渡しました。

2007年にはダイエーによって十字屋は吸収合併され、事実上廃業。その後、唯一残った店舗である山形店も2018年に経営を終了し、95年の歴史に幕を閉じました。

最後の店舗・十字屋山形店

1971年に開業した山形店は、当初から地域の中心的な商業施設として機能していました。1990年代には96億円の売上を記録したものの、以降は徐々に売上が減少しました。ダイエーによる経営権譲渡後も山形店は存続しましたが、2016年には売上高が最も低い31億円にまで落ち込みました。大手ブランドの撤退や競合との激化により、2018年の閉店通知へと至ります。閉店日には多くの顧客が店舗を訪れ、最後の別れを惜しみました。

その後、山形店が入居していたビルは解体され、跡地には新たにホテルが建設されることが決まりました。こうして株式会社十字屋は、長い歴史を経てその存在を消し去っていきました。

他の業態や店舗

十字屋は、生鮮食品や専門店の展開にも力を入れており、1996年のアゴラとの合併により、OPAという大規模商業施設の運営を引き継ぐこととなりました。OPA店舗は現在も日本各地で営業しており、陸上交通の整備とともに地域の商業の中心地として重要な役割を果たしています。

一方、小型店舗の展開として、衣料品店やホームセンターといった多様な業態もあったものの最終的には全ての店舗が閉店し、十字屋という名前は市場から消えました。

結論

十字屋の歴史は、日本の商業の変遷や消費者のニーズの多様化を体現しています。企業の成栄と衰退は、特に地方百貨店の現状を反映しており、地域経済や文化に与えた影響は計り知れません。

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