十字街 (函館市)

十字街と銀座通りの魅力

十字街（じゅうじがい）は、北海道函館市末広町に位置する繁華街で、地域の歴史や文化の発信地として知られています。正式には町丁名ではなく、通称として親しまれているこの場所は、函館の旧市街地、函館山の山麓に広がり、函館港に近い特異な立地が魅力です。繁華街としての地位は明治から大正、そして昭和にかけて拡大し、現在に至ります。

十字街の歴史

十字街は、もともと函館経済の中心にあたる場所でした。明治期までは青函航路の東浜桟橋付近に繁華街がありましたが、浜町の発展と共に大正期に現在の位置に移りました。特に国道279号と国道338号、そして北海道道675号の交差点付近で形成された十字形の街路がその名の由来です。

1885年の函館大火を経て、復興のための道路改修が行われた際に、現在の電車通りが整備されました。また、十字街付近には多数の映画館や大型商業施設が立ち並び、当時は全国有数の繁華街として栄えました。しかし、1934年の昭和9年函館大火により、さらなる被害を受け衰退の一途を辿ることとなりました。戦後、1960年に新しいアーケードが設置され、この地域の活性化が図られましたが、依然として衰退の兆しが見え始めていました。

その後、アクロス十字街が2002年に竣工し、地域の再活性化が期待されました。市長による「デザインと芸術の洋風の街」というビジョンのもと、十字街の魅力が再評価されています。

銀座通りとの関係

十字街の東隣に広がる銀座通りは、かつて栄国橋がかかっていたことに由来しています。この通りも同様に発展してきましたが、防火対策のために多くのコンクリート建築物が立ち並ぶようになりました。これにより、銀座通りはまた別の魅力を持つ歓楽街としての性格を得ました。

大正期には銀座通りも映画館や商業施設で賑わい、その後の昭和9年函館大火にも影響を受けながら、衰退の道を歩みました。しかし、現在でも地域住民や観光客が集まる場所として機能しており、様々なイベントが開催されています。

現在の十字街と銀座通り

十字街と銀座通りは、今なお函館市民や観光客にとって重要な場所です。十字街では、函館港まつりやバル街といった地域イベントが開催され、地域振興に寄与しています。また、新興施設のアクロス十字街は、地域のランドマークとしての役割を担っています。

公共交通機関も充実しており、十字街停留場や関連するバス停留所が地域のアクセスを支えています。これにより、観光客や地元の人々は簡単にこの繁華街を訪れることができます。

結論

函館の十字街とその近隣に位置する銀座通りは、単なるショッピングエリアや飲食街にとどまらず、地域社会に根ざした歴史的な資産を持つ場所です。これらの通りは、多くの人々に愛されており、地元の文化やイベントを通じて人々の心をつなぐ役割を果たしています。函館の歴史と共に生き続ける十字街と銀座通りは、今後ますます重要な観光地としての存在感を増していくことでしょう。

もう一度検索