国道338号

国道338号：津軽海峡と下北半島を繋ぐ、変化に富む国道

国道338号は、北海道函館市を起点とし、青森県むつ市を経由して、おいらせ町に至る全長約260kmの一般[[国道]]です。函館駅から始まり、津軽海峡を渡り、下北半島を南下するルートは、変化に富んだ景観と歴史を感じさせる道程が特徴です。

海上区間と下北半島の海岸線

函館市と青森県大間町の間は、津軽海峡フェリーによって結ばれる海上区間となっています。フェリー航路を利用し、青森県側に渡ると、下北半島の北西海岸、そして南東海岸と、津軽海峡と陸奥湾の海岸線をたどりながら南下していきます。下北半島を縦断する国道279号とは異なり、338号は海岸沿いを走るルートをとるため、海に面した絶景や、漁村の集落などを間近で眺めることができます。

下北半島の自然と歴史

特に、下北半島西岸の海峡ラインと呼ばれる区間は、風光明媚な景観で知られています。陸奥湾に面した脇野沢から北上し、津軽海峡に突き出した仏ヶ浦は、風雨と波の浸食によって生み出された奇岩群が約2kmにわたって続く見事な景観です。この区間は、かつてのタラ漁の盛んな脇野沢村の歴史を物語る「鱈道路」と呼ばれるコンクリート舗装の旧道も含まれ、歴史と自然を同時に体感できる魅力的なルートとなっています。一方、佐井村の七曲りや、東通村から六ヶ所村にかけては、険しい山道や狭隘区間も存在し、歴史と自然の両面に深い魅力を感じさせます。また、この地域には核燃料サイクル施設や原子力発電所といった重要な施設もあり、近代的な開発と自然の共存が見て取れます。

道路状況と交通規制

国道338号は、全体的に1～1.5車線程度の狭隘区間が多く、漁村の集落内を縫うように走る区間も存在します。特に佐井村南部からむつ市脇野沢にかけては、かつては未舗装区間もあったほど険しい山岳道路であり、近年も地滑りによる通行規制が行われたり、冬季閉鎖区間があったりと、道路状況には注意が必要です。また、むつ市中心部や三沢市周辺など、一部地域では生活道路や経済道路としての役割も担っており、交通量は変化に富みます。

バイパスと重複区間

下北半島には大間バイパス、宇曽利バイパス、大湊バイパス、白糠バイパス、泊バイパス、尾駮バイパスといった複数のバイパスが整備され、交通の円滑化に貢献しています。また、函館市から大間町の間は国道279号と重複区間となっており、両方の国道を同時に走行することになります。

過去の経緯

現在の道路法に基づき、1974年に第3次追加指定、1975年に国道として指定されました。当初はむつ市からおいらせ町までの区間でしたが、1982年には函館市まで延長されています。歴史的に見ると、1934年の脇野沢村の大火後の道路拡張や、昭和後期まで残っていた佐井村のダート区間、そして自衛隊による道路開通の歴史など、様々な出来事がこの国道の歴史に刻まれています。

まとめ

国道338号は、津軽海峡と下北半島の自然、歴史、そして近代的な開発が複雑に絡み合った、変化に富む魅力的な国道です。ドライブを楽しむ際には、道路状況や交通規制情報などを事前に確認し、安全に走行することを心がけましょう。通行に際しては、冬季閉鎖区間や狭隘区間の存在、そして交通量の変動にも注意が必要です。計画的に旅程を立て、安全運転を心がけてください。

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