十種ヶ峰

十種ヶ峰：山口・島根にまたがる名峰

十種ヶ峰は、山口県と島根県の県境に位置する標高989mの山です。その雄大な姿から「長門富士」とも呼ばれ、特に標高の高い山が少ない山口県においては、名峰として広く親しまれています。山頂からは360度のパノラマが広がり、絶景を楽しめる人気のスポットです。

多様な登山ルートとアクセス方法

十種ヶ峰には、嘉年側、徳佐側、神角側の3つの登山口があり、それぞれのルートによって異なる自然景観や難易度を楽しむことができます。

嘉年側ルート: オートキャンプ場やスキー場が近くにあるため、アクセスが容易です。8合目までは車道が整備されており、駐車場から山頂までは約800m、徒歩で約20～30分です。オートキャンプ場側の駐車場からゲレンデを経由するルートもあります。
徳佐側ルート: JR徳佐駅から徒歩約2時間。福谷池を経由するルートは、自然豊かな景観の中を歩くことができます。
* 神角側ルート: 国道315号から「十種ヶ峰登山口」の標識に従ってアクセスできます。バスを利用する場合は、阿東生活バス（徳佐嘉年線）の「神角バス停」で下車します。

山名の由来と歴史

十種ヶ峰という山名は、御食主命（みけぬしのみこと）が十種の神宝をこの地に埋めたという伝説に由来すると言われています。「十種」は「徳佐」の古名であるという説もあります。古くから人々の信仰を集め、歴史と伝説に彩られた山であることがわかります。

豊かな自然と山頂からの展望

山頂付近は樹木が少なく、チマキザサに覆われています。見晴らしが良く、遠くまで見渡せる開放的な空間が広がっています。360度の展望は、まさに絶景。山口県、島根県、そして遠くまで広がる山々や風景を堪能できます。

テレビ中継局としての役割

十種ヶ峰には、NHKと民放のテレビ中継局「阿東嘉年」が設置されています。阿東地区（徳佐地区と嘉年地区）、萩市むつみ地区、鹿足郡津和野町の一部地域に電波を送信しており、地域住民にとって重要な役割を担っています。地上デジタルテレビ放送と地上アナログテレビ放送の中継局が設置されており、1985年頃に設置されたと推測されます。島根県側に電波が漏れないよう、中腹に設置されている点も特徴的です。

特に、阿東徳佐の一部地域（島根県境寄り）では、水平にアンテナを島根県津和野町中座の大陰山方向に向けている世帯が多かったことから、この位置に中継局が設置された背景がうかがえます。

周辺施設と観光

十種ヶ峰周辺には、十種ヶ峰ウッドパーク（オートキャンプ場・スキー場）や山口県十種ヶ峰青少年野外活動センターなどがあり、自然を満喫できる施設が充実しています。登山だけでなく、キャンプやスキー、自然体験学習など、さまざまな楽しみ方ができます。

まとめ

十種ヶ峰は、豊かな自然、歴史、そして現代の技術が融合した魅力あふれる山です。絶景の展望、多様な登山ルート、そして周辺施設の充実ぶりは、多くの観光客や登山家を惹きつけています。山口県と島根県にまたがるこの名峰は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

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