千代嵐慶喜

千代嵐 慶喜（ちよあらし よしのぶ）

千代嵐 慶喜（1991年7月12日 - 2024年1月20日）は、千葉県木更津市出身の元大相撲力士です。九重部屋に所属し、本名は渡邉 慶喜。その名から、十五代将軍と称されることもありました。身長172.5cm、体重141.0kg、得意手は押し。最高位は東十両10枚目（2011年11月場所）。血液型はAB型。

来歴

幼少期、父親に柔道を勧められるも、兄を押し出すばかりだったため、7歳で相撲に転向。小学校6年時には関東大会で優勝。2006年には全国都道府県中学校相撲選手権でベスト8に入賞しました。

幼い頃から「千代の富士の弟子になれるのは誰でもない。ならなければ後悔する」と考え、九重部屋への入門を志し、四股を毎日数百回も踏んで体を鍛えました。同学年の剣翔とは、出身地が近いこともあり、アマチュア時代から何度も対戦。剣翔は千代嵐のことを「子供の頃から飛びぬけて強かった」と語っています。

中学校卒業後、九重部屋に入門し、2007年3月場所で初土俵。2008年5月場所で三段目に昇進し、四股名を渡邉から千代嵐に改めました。2009年7月場所で新幕下に昇進。その後、幕下に定着するまでに時間を要しましたが、2010年7月場所以降は幕下に定着しました。

2011年5月技量審査場所では、東幕下17枚目で5勝2敗の成績を収めました。大相撲八百長問題の影響で引退力士が多数出たため、翌7月場所では東幕下3枚目まで番付が上昇。この場所も5勝2敗と勝ち越し、場所後の番付編成会議で新十両昇進が決定しました。

新十両となった9月場所では、12日目に関取として初の勝ち越しを決めました。しかし、翌11月場所では9日目の取組で右足首を骨折し、全治1ヶ月と診断され、自身初の休場となりました。翌場所も全休し、東幕下43枚目まで番付を落とした2012年3月場所で復帰。以降7場所連続で勝ち越し、2013年3月場所で十両復帰を果たしました。

再十両となった5月場所は負け越し。続く7月場所も負け越し、14日目から左膝の怪我で途中休場。これにより、再び関取の座を失いました。当初の診断は「左膝靭帯損傷」で全治3週間でしたが、実際には前十字靭帯を断裂していたことが判明し、同年8月に手術を受けました。その後、怪我の療養とリハビリのため3場所連続で全休。東三段目87枚目まで番付を下げた2014年3月場所で土俵に復帰し、7戦全勝で三段目優勝を果たしました。

翌5月場所で幕下に復帰し、同年9月場所では東幕下46枚目で6連勝。7戦全勝をかけた一番で剣翔に敗れ、幕下優勝を逃しました。その後、4場所連続で勝ち越し、2015年5月場所では東幕下2枚目まで番付を戻しましたが、場所中に右膝の前十字靭帯を断裂し、途中休場。翌7月場所からは3場所連続の全休となり、同年9月に手術を受けました。

西序二段32枚目まで番付を下げた2016年1月場所は、場所直前に出場を決意し、4場所ぶりに土俵に復帰。7戦全勝の好成績を収めました。その後も勝ち越しを続け、同年7月場所で幕下に復帰しましたが、右膝の古傷が悪化したため途中休場。これにより再び番付を下げましたが、2017年1月場所で幕下に復帰。2020年3月場所以降は幕下15枚目以内に番付を戻しました。

2021年9月場所は西幕下筆頭で迎えましたが、負け越しで十両復帰を逃しました。続く11月場所は東幕下4枚目で5勝目を挙げました。2022年1月場所で50場所ぶりの再十両を果たしましたが、1場所で幕下に陥落。東幕下筆頭で迎えた翌3月場所で勝ち越しを決め、1場所での再十両を決めました。しかし、翌5月場所は負け越し、再び1場所で幕下に陥落しました。

2024年1月場所で引退。

師匠である九重親方は「立派に務めた」と労い、第2の人生での活躍を応援。千代嵐自身も、師匠への感謝と先代九重親方との思い出を語りました。

人物

協会公式プロフィールによると、好きな歌手はMr.Children、好物は肉、趣味は寝ること、好きなYouTuberはなかやまきんに君。

歌の腕前はプロ級で、前田亘輝に「君はなんで相撲やってるの?」と言われたほどです。

主な成績

通算成績：370勝298敗71休（100場所）
三段目優勝：1回（2014年3月場所）

改名歴

渡邉 慶喜（2007年3月場所 - 2008年3月場所）
千代嵐 慶喜（2008年5月場所 - 2024年1月場所）

もう一度検索