千代田区立麹町中学校

千代田区立麹町中学校の概要

千代田区立麹町中学校（ちよだくりつこうじまちちゅうがっこう）は、東京都千代田区平河町にある公立の中学校で、地域唯一の公立中学校として重要な役割を果たしています。通称「麹中（こうちゅう）」と呼ばれ、教育界における名門校として知られています。

歴史と背景

この学校は、1947年4月に新制中学校として設立され、初めは旧・永田町小学校の教室で授業を行っていました。後に現在の校舎が建設されることになりますが、その校地は安田善次郎による寄贈が基盤となっています。寄贈に際しては、庭に植えられたソテツを枯らさないという条件が付けられ、それ以来、ソテツは学校のシンボルともなっています。

初代の校長には理学博士の有元石太郎が就任し、以降、学校は地域に根ざした教育を展開してきました。1970年代から1980年代にかけては、東京大学への進学者数が多いことで知られ、多くの生徒が名門高等学校や大学へ進学するエリートコースとして注目されます。これにより、麹町中学校は周辺地域から多くの越境通学者を惹きつけ、経済的に恵まれた多様な学生が集まる傾向が強まりました。

教育改革と校風

2014年、工藤勇一が校長に就任すると、さまざまな教育改革を実施しました。例えば、伝統的に続けられていた宿題や定期テストの廃止、さらに校則の自由化など、生徒が主体的に学校生活を送れるような環境作りを進めました。これに伴い、地域の小学校からの進学者が増え、2020年以降は越境入学の受け入れが完全に中止されることとなります。工藤の在任中は、学生たちが自ら考え、行動できる教育方針が浸透し、多くの保護者からも支持を受けました。

しかし、2020年に工藤が退任した後、後任の校長が就任すると、従来の教育方針を見直す検討が始まりました。新校長の堀越勉は、改革の多くを元に戻す方向で方針を転換する必要性を感じています。これは、学校が抱える大きな課題を明確にするためです。

交通とアクセス

麹町中学校へのアクセスも便利です。東京地下鉄の有楽町線、半蔵門線、南北線の永田町駅からは徒歩5分、また銀座線と丸ノ内線の赤坂見附駅からは徒歩10分という立地です。都営バスを利用する場合は、橋63系統で「平河二丁目」バス停下車後、徒歩1分で到着します。

周辺環境

学校の近隣には千代田放送会館や都道府県会館、砂防会館などがあり、文化的な特徴も持っています。周囲の環境は、歴史ある街並みと相まって、教育に集中しやすいロケーションを誇っています。

出身者

麹町中学校は、多くの著名な卒業生を輩出しています。元内閣官房長官の加藤紘一や、俳優の角野卓造、女優の貫地谷しほり、さらには著名な研究者や政治家も多く在籍していました。彼らはそれぞれの分野で活躍し、地域の誇りとされています。

まとめ

千代田区立麹町中学校は、その独自の歴史と革新的な教育方針から、多くの生徒に影響を与えてきた学校です。今後も地域社会に貢献しつつ、新しい教育の形を模索していくことでしょう。

もう一度検索