千住鎮雄

千住鎮雄

千住鎮雄（せんじゅ しずお、1923年7月14日 - 2000年9月2日）は、日本の著名な経営工学者であり、慶應義塾大学の名誉教授を務めました。彼は工学博士（慶應義塾大学、1960年）の学位を持ち、その専門知識と研究成果は、日本の経営工学界に大きな影響を与えました。

略歴

千住鎮雄は、1941年に東京府立第一中学校を卒業後、慶應義塾大学工学部に進学しました。その後、慶應義塾大学理工学部の教授に就任し、後進の育成に尽力しました。1987年には杏林大学社会科学部の教授となり、さらに旧制一中の先輩である大来佐武郎が学長を務めていた国際大学で国際経営研究所長に就任しました。彼の幅広い知識と経験は、様々な教育機関で活かされ、多くの学生や研究者に影響を与えました。

1957年には、その卓越した研究業績が認められ、日経品質管理文献賞を受賞しました。この受賞は、彼の研究が日本の品質管理の発展に貢献したことを示すものであり、彼の名声を確固たるものとしました。

家族

千住鎮雄の妻は千住文子であり、文子の父は角倉邦彦です。彼の家系は歴史的な背景を持ち、祖先には角倉了以がいます。文子の祖父である角倉賀道は、明治時代の医師であり、近代酪農の祖として知られています。また、天然痘撲滅にも尽力しました。千住鎮雄の子供たちもまた、著名な人物として知られており、千住博、千住明、千住真理子はそれぞれ芸術、音楽、演奏の分野で才能を発揮しています。

著書

千住鎮雄は、数多くの著書を執筆し、その知識と経験を広く社会に共有しました。特に、伏見多美雄との共著である『経済性工学の基礎』および『経済性工学の応用』は、投資の採算性評価に関するバイブルとして、広く読まれています。

• - 『経済性工学の基礎』：意思決定のための経済性分析
• - 『経済性工学の応用』：採算経営の計画技術

これらの著書は、経営科学を学ぶ上で不可欠な考え方を提供し、多くの経営者や研究者に影響を与えました。その他にも、以下のような著書があります。

• - OR入門（1963年 オーム社）
• - 線形計画法（1967年 共立出版（新しい数学へのアプローチ））
• - 幹部のための損得学入門：目先の動きに惑わされるな（1971年 日本能率協会）
• - やさしい経済性工学のはなし：損得計算のめやす（1986年 日本能率協会）

共著

• - 生産計画と在庫管理（1961年 紀伊国屋書店）
• - やさしいOR教室（関根智明共著 1962年 日本生産性本部）
• - 経済性工学：利益拡大の計画技術（伏見多美雄共著 1967年 日本能率協会）
• - 品質管理のための経済計算（水野紀一共著 1971年 日科技連出版社）
• - 経営工学概論（師岡孝次共著 1973年 朝倉書店（経営工学講座））
• - 経済性工学入門：技術者のための経済計算（伏見多美雄共著 1973年 朝倉書店（経営工学講座））
• - 設備投資計画法（伏見多美雄共著 1974年 日科技連出版社（ORライブラリー））
• - 経済性分析（共編著 1979年 日本規格協会）
• - 経済性工学の基礎：意思決定のための経済性分析（伏見多美雄共著 1982年 日本能率協会）
• - 経済性工学の応用：採算経営の計画技術（伏見多美雄共著 1983年 日本能率協会）
• - やさしい経済性分析：意志決定を助ける 幹部のための経済性工学（中村善太郎共著 1987年 日本規格協会）

翻訳

• - J.F.マギー『生産計画と在庫管理』（松田武彦共訳 1961年 紀伊国屋書店（現代経営科学全集））
• - A.J.デリソッラ、S.J.キルク『建物のライフサイクル・コスト分析』（1987年 鹿島出版会）

千住鎮雄は、その生涯を通じて、経営工学の発展に大きく貢献しました。彼の研究と教育活動は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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