半夜月

半夜月について

半夜月（パン・ヤウォル、1917年8月1日 - 2012年3月26日）は、日本の統治下にあった韓国と大韓民国で活躍した優れた作詞家および歌手です。彼は「秦芳男（チン・バンナム）」という芸名で歌手活動を行い、数多くの楽曲が広く愛されました。

生い立ち

半夜月は、慶尚南道馬山府に生まれました。彼の本名は朴昌吾（パク・チャンオ）で、家系は密陽の朴氏に属していました。彼が育った環境は、幼少期から家庭の経済的困難に直面しており、高校在学中には忠清北道清州にいる叔父のもとへ移り住みました。そこで洋裁を学び、「歌う洋服屋」として地域で知られるようになりました。実際に、コンクールでの優勝をもとに、彼は音楽の道へと進むことになりました。

音楽活動の開始

清州でのコンクールでの成功を皮切りに、彼は「불효자는 웁니다（不孝者は泣いています）」や「꽃마차（花馬車）」などをリリースし、秦芳男という名で名声を得ました。

その後、彼は南大門楽劇団を結成し、「산홍아 너만 가고（仮訳：サンホンア、あなただけ行って）」、「마도로스 박（仮訳：マドロス・パク）」といった音楽劇を制作しました。また、ラジオドラマの脚本も手掛けるなど、幅広い活動を行いました。

大衆の心をつかんだ作詞家

半夜月は、作曲家の朴是春、歌手の李蘭影と共に「韓国歌謡界の3大宝」脱名を得るほど、多くの大衆に愛される歌詞を数々制作しました。代表的な作品には「넋두리二十年（仮訳：不平二十年）」、「유정천리（有情千里）」、「산장의 여인（仮訳：山荘の女人）」などがあり、彼の手掛けた曲は数千曲に及びます。特に、「昭陽江の処女」を歌った歌手はキム・テヒであり、作曲はイ・ホによるもので、大変有名です。

歌詞家としての功績

半夜月は、1956年に大韓レコード作家協会の設立に関与し、1964年には韓国音楽著作権協会にも参加しました。その成果が評価され、1966年には国際歌謡大賞作詞賞、1967年には公報部長官感謝賞、さらに1991年には文化勲章国民章を授与されることとなります。

彼は、数多くの楽曲を残すだけでなく、全国各地に歌碑を建立され、特に彼の故郷である馬山では「半夜月歌謡祭」が定期的に開催されています。

論争と謝罪

日本統治時代には、軍国歌謡や愛国心を謳った歌にも関与し、これにより彼は親日行為として批判を受けることもありました。2008年には民族問題研究所によって氏名が親日人名辞典に掲載される見込みとなり、これに対して彼は2010年に謝罪し、「何を言っても言い訳だ。あったことは認めなければならない」と述べました。

最晩年と死去

2012年3月26日、彼は老衰により96年の生涯を閉じました。半夜月の音楽と彼が遺した作品は、今後も多くの人々に愛され続けるでしょう。

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