南の風 (県民歌)

南の風（みなみのかぜ）

「南の風」は、日本の美しい島国に位置する長崎県が制定した県民歌です。この歌は、県民が明るく楽しい生活を送るためのテーマとして、誰にでも歌えることを目的に作られました。歌詞は県民の歌作詞委員会によって作成され、作曲は当時長崎大学の教授であった山口健作が手掛け、編曲は船村徹が担当しました。

歴史的背景と制定の経緯

この県民歌の制定は、長崎県の第4-6代知事である佐藤勝也の呼びかけによって行われました。「県勢振興5ヵ年計画構想」の一環として提案されたこの活動は、県民一人ひとりが歌を通じて一体感を得ることを目指していました。最初は公募の形で歌詞が集められましたが、選考の結果、残念ながら「該当作無し」となり、作詞委員会によって新しい歌詞が作られることとなりました。その後、1961年に、若山彰と初代コロムビア・ローズの歌唱によって、県民歌とともに「長崎県民音頭」が収録されたSPレコードが日本コロムビアからリリースされ、各市町村の役所にも配布されました。

このレコードは予想を超える人気を得たため、佐藤知事は「くちびるに歌を」というスローガンを用いて歌声運動を推進しました。さらに、彼自身が作詞した曲も作られる予定でしたが、県議会で「売名行為」として批判を受け、予算案から削除されてしまいました。

南の風の現状

2000年代に入ると、参加機会が減少し、「南の風」の認知度は次第に低下しました。今日では、長崎県障害者スポーツ大会の開会式で演奏されることが主な機会となっています。県の公式サイトでは、認知度を高めるために新たに作成したミュージック・ビデオが試聴可能となっており、県民間の再認知を目指しています。また、2014年には第69回長崎がんばらんば国体の開会式でも演奏されるなど、場面によって歌われることもあります。

長崎県民音頭

「南の風」と同時に収録されている「長崎県民音頭」は、実は早くから歌詞の公募が行われており、2代目「ラジオ体操の歌」の作詞者で有名な脇太一の作品が選ばれました。作曲は、選考委員も務めた木野普見雄によって手掛けられ、この楽曲は1959年に初お披露目されました。このように、長崎の音楽文化を象徴する重要な楽曲と言えます。

歌詞と著作権

なお、南の風の歌詞は団体名義であるため、2011年12月31日に著作権の保護期間を満了しています。現在、多くの人々がこの県民歌を歌い継ぎ、長崎の文化的なリソースとして親しまれています。影響力のある音楽作品が歴史を越えて現在も存在感を放っていることは、とても意義深いことです。

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