コロムビア・ローズ

コロムビア・ローズについて

コロムビア・ローズは、日本コロムビアに所属する女性歌手に与えられた名称で、時代ごとに複数の歌手が存在しました。各世代で異なる個性と魅力を持った歌手たちが、この名前を受け継ぎ、歌謡史にその名を刻んでいます。2023年現在、初代コロムビア・ローズのみがステージ活動を行っています。

初代コロムビア・ローズ

本名: 松本マツ江（旧名：斉藤まつ枝）
生年月日: 1933年1月4日
出身地: 群馬県桐生市

初代コロムビア・ローズは、戦後初の覆面歌手としてデビューしました。これは、戦前の人気歌手「ミス・コロムビア」の成功例に倣ったもので、そのミステリアスな魅力が話題を呼びました。1951年に「第2回日本コロムビア全国歌謡コンクール」で優勝し、日本コロムビアに入社。芸名は、会社名と、第二次世界大戦中に「東京ローズ」と呼ばれた女性アナウンサーに由来します。

1952年、「娘十九はまだ純情よ」でデビューし、「どうせ拾った恋だもの」「東京のバスガール」など、数々のヒット曲をリリースしました。その活躍はステージ、映画、テレビ、ラジオと多岐にわたり、1960年には紺綬褒章を受章しています。1961年に胸部疾患を理由に引退を発表しましたが、1964年に日本コロムビア社員と結婚し、二人の娘をもうけました。昭和の懐メロブームを機に歌手活動を再開し、現在もステージ活動や歌唱指導、コンクールの審査員、作曲活動など、精力的に活動を続けています。NHK紅白歌合戦には5回連続で出場を果たし、2005年には「大衆音楽の殿堂」入りも果たしています。2012年には歌手デビュー60周年を迎え、記念コンサートを開催しました。80歳を超えても車を運転し、各地で歌謡教室の指導をするなど、そのバイタリティは衰えを知りません。

主なディスコグラフィー

娘十九はまだ純情よ (1952年4月)
リンゴの花は咲いたけど (1952年10月)
あなたの手紙 (1952年10月)
乙女の青空 (1952年12月)
雨の港の連絡船 (1953年1月)
君を愛すと (1953年3月)
紅いベレー (1953年4月)
恋の渡り鳥 (1953年6月)
君偲ぶ月影 (1953年7月)
キャバレーの薔薇 (1953年8月)
花と乙女 (1954年1月)
恋の花かんざし (1954年1月)
からたちの花は咲いたけど (1954年1月)
君ゆえに (1954年4月) with 霧島昇
こんな気持ちが恋かしら (1954年6月)
伊香保小唄 (1954年7月)
哀愁日記 (1954年9月)
鳩笛乙女 (1954年9月)
赤い夕日の丘越えて (1954年11月)
雨の足音 (1954年12月)
渡り鳥いつ帰る (1955年2月)
夜霧のガス灯 (1955年2月)
青い鳥のエレジー (1955年7月)
かりそめの唇 (1955年8月)
愛しきはあの人 (1955年8月)
お春恋しや (1956年1月)
花ふたたび (1956年2月)
あの夜の夢が消えたなら (1956年2月)
御無事でね (1956年6月)
娘艶歌師 (1956年8月)
しあわせはどこに (1956年8月)
好きで別れて (1956年10月)
どうせ拾った恋だもの (1956年11月)
こころの小雨（心の小雨）(1956年11月)
哀愁のビギン (1956年12月)
愛しているのに (1957年2月)
花の都に憧れて (1957年3月)
花は嘆かず (1957年4月)
逢びきの街 (1957年4月)
おもかげは遥かなり (1957年7月)
湖畔の夜 (1957年7月)
東京のバスガール (1957年10月)
プリンセス・ワルツ (1957年11月)
花くれないに (1957年12月)
恋のブルース (1957年12月)
恋は炎か (1957年12月)
こぼれ陽の町 (1957年12月)
花のうず潮 (1958年4月)
花の慕情 (1958年5月)
恋は火のようなものなのね (1958年7月)
悲しみよグッドバイ (1958年8月)
東京の女王蜂 (1959年2月)
こころの太陽 (1959年3月)
銀座地階の女 (1959年4月)
いとし我子 (1959年4月)
雨が降る街角 (1959年6月)
恋の彼岸花 (1959年6月)
ロマンス・ガイド (1959年10月)
熱海ワルツ (1959年11月)
希望の鐘 (1959年12月)
河口湖ワルツ (1960年6月)
君を呼ぶ日本平 (1961年3月)
南国にすてた恋 (1961年5月)

主なテレビ出演

一枚の写真 (1991年3月7日、フジテレビ)
思い出のメロディー (NHK総合)（複数回出演）
懐かしの昭和メロディー (2011年1月14日、テレビ東京)
木曜8時のコンサート〜名曲!にっぽんの歌〜 (複数回出演、テレビ東京)
NHK歌謡コンサート (2012年5月22日、NHK総合)
爆報! THE フライデー (2013年11月15日、TBS)

二代目コロムビア・ローズ

本名: 宗 紀子（むね のりこ）
生年月日: 1942年4月29日
没年月日: 2020年8月16日
出身地: 東京都

二代目コロムビア・ローズは、初代の引退後に開催されたオーディションで、3500人の中から選ばれました。1962年に「白ばら紅ばら」でデビューし、「智恵子抄」でNHK紅白歌合戦に初出場するなど、初代に負けない人気を博しました。初代とは親交が深く、共演も多かったようです。1975年に渡米し、ロサンゼルスで歌手活動を行っていましたが、日本での活動も継続していました。2020年8月16日に心不全のため亡くなりました。享年78歳でした。2014年11月の日本[[歌手協会]]「歌謡祭・歌謡フェスティバル」での初代との共演が最後の芸能活動となりました。

代表曲

白ばら紅ばら (1962年8月発売)
ミス仙台 (1962年11月発売)
長い一本道 (1963年5月発売)
智恵子抄 (1964年発売)
さあさ踊ろよ (1964年3月発売) ※舟木一夫、青木和子、草野士郎、本間千代子とともに歌唱
夢のハワイで盆踊り (1964年7月発売) ※舟木一夫、本間千代子、高橋元太郎とともに歌唱
二十才 (1964年発売)
たけくらべの歌 (1964年発売)
二十四の瞳 (1965年6月発売)
花狂言／ひそか (1997年10月発売)

主なテレビ出演

木曜8時のコンサート〜名曲!にっぽんの歌〜 (2012年11月29日、テレビ東京)

映画出演

夢のハワイで盆踊り (1964年8月1日公開、東映)

三代目コロムビア・ローズ

本名: 野村 美菜（のむら みな）
師事: 作曲家・水森英夫

三代目コロムビア・ローズは、作曲家・水森英夫に師事し、2004年に「出航五分前」でデビューしました。2007年には、同じ水森門下の歌手とユニット「次世代演歌3人娘グー・チョキ・パー」を結成しました。2013年に芸名を「野村未奈」とし、名称表記を「三代目コロムビア・ローズ 野村未奈」に変更しましたが、2015年に日本クラウンに移籍するとともに、「三代目コロムビア・ローズ」の名称を返上し、再び「野村未奈」として活動しています。

代表曲

出航五分前 (2004年6月23日発売)
蒼いバラの伝説 (2005年3月23日発売)
異国の華〜お春物語〜 (2005年9月21日発売)
夢のバスガール (2006年6月21日発売)
最終便 (2007年9月19日発売)
迷子 (2008年11月19日発売)
城下町ブルース (2009年1[[1月4日]]発売)
五分五秒の二人 (2012年11月21日発売)

コロムビア・ローズの名称は、それぞれの時代で異なる個性の歌手たちによって受け継がれ、歌謡界にその名を刻んでいます。初代の活躍から、二代目、三代目と、それぞれの時代を彩った歌声は、多くの人々の心に残っていることでしょう。

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