南串山町

南串山町の概要

南串山町（みなみくしやまちょう）は、長崎県の島原半島にかつて存在した町です。南高来郡に属し、2005年10月11日に周辺の6つの町と合併し、雲仙市として市制を施行しました。その結果、南串山町は自治体としての役割を失い、現在は雲仙市の一部として存在しています。旧町役場は現在、南串山総合支所として機能しており、地域の行政サービスを担っています。

地理的特徴

南串山町は島原半島の南西部に位置し、橘湾に面しています。この町域には彦山があり、周囲には児島や国崎半島といった自然景観が広がっています。主要な河川には境川、川内川、鬼塚川、水ノ浦川、小津波見川があり、これらは地域の自然環境を豊かにしています。また、京泊漁港や中ノ場漁港といった港湾もあり、地域の漁業活動を支えています。

歴史

南串山町の起源は、1652年にさかのぼります。この年、元々高来郡にあった串山村が北串山村と南串山村に分かれ、南串山の名が誕生しました。その後の116年間、南串山町は他の自治体と合併することなく独立を保ち続けました。

1889年4月1日には町村制が施行され、南高来郡南串山村が単独の村として成立しました。1969年には町制を施行し、名称が南串山町に変更されました。2005年には周辺の町と合併し、雲仙市となることで、この町はついに自治体としての歴史に幕を下ろしました。

行政と教育

南串山町は行政上、1889年に単独で成立したため、大字を持たない特徴があります。地域の主要な教育機関としては、南串山町立南串中学校や第一小学校、第二小学校が存在しましたが、合併後は雲仙市立の学校として運営されています。また、特別支援学校としては長崎県立島原特別支援学校南串山分教室もあり、地域の教育環境を支えています。

交通アクセス

南串山町の最寄り空港は長崎空港で、最寄りの鉄道駅は島原鉄道の愛野駅です。合併前の最寄り駅は加津佐駅でしたが、この駅は廃止されています。さらに、一般路線バスは島原鉄道バスが運行されており、地域内交通の重要な手段となっています。道路面では、国道251号や国道389号が通っており、高速道路は長崎自動車道の諫早インターチェンジが最寄りです。

産業

南串山町の主な産業は農業と漁業です。農業では、戦前には百合根が全国一の生産量を誇っていましたが、戦後は生産が減少しました。現在では、ジャガイモやレタス、カボチャ、タマネギなどが生産されています。漁業では、いわし煮干の製造が盛んで、地域の特産品となっています。

名所と行事

南串山町にはいくつかの名所や観光地があります。キリシタン墓碑や国崎半島自然公園などが有名です。また、八幡神社で行われる大祭は毎年10月に開催され、多くの人々が訪れます。

関連人物

南串山町には、偉人として馬場元治や松永光といった政治家がいます。彼らは地域の発展や政治において重要な役割を果たしました。

このように、南串山町は地理的特性や深い歴史を有し、合併によって新たな形へと移行しました。地域の文化と産業は現在も根付いており、雲仙市の一部としてその価値を保っています。

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