南剣州

南剣州は、中国の歴史において、南唐時代から宋代にかけて現在の福建省南平市および三明市一帯に存在した州です。その成立から変遷、そして管轄地域について詳しく解説します。

南剣州の成立

948年（南唐の保大6年）、南唐によって、かつての閩の鐔州竜津県に剣州が設置されたのが始まりです。この時、竜津県は剣浦県と改称されています。この措置が、後の南剣州の基礎となりました。

北宋による改称と管轄

979年（北宋の太平興国4年）、剣州は北宋によって南剣州と改称されました。南剣州は福建路に属し、剣浦、将楽、沙、尤渓、順昌の5県を管轄する行政単位として機能しました。この地域は、政治的にも経済的にも重要な拠点となっていきました。

元代への移行と昇格

1276年（元の至元13年）には、南剣州は元によって南剣路に昇格しました。これにより、南剣州の地位はさらに向上し、地域における影響力を増大させました。しかし、その後の行政区画の再編により、南剣路は短期間でその名称を変更することになります。

延平路への改称とその後

1302年（元の大徳6年）、南剣路は延平路と改称されました。同時に、剣浦県は南平県と改称されています。延平路は江浙等処行中書省に属し、録事司と南平、将楽、沙、尤渓、順昌の5県を管轄しました。この変更は、元朝による地域統治の方針転換を示唆するものでした。

明代における延平府

1368年（明の洪武元年）、延平路は明によって延平府と改められました。これにより、この地域は府としての新たな歴史を歩み始めることになります。南剣州から延平路、そして延平府へと変遷したこの地域は、それぞれの時代において重要な役割を果たし続けました。

南剣州は、その短い歴史の中で、南唐、北宋、元、明といった各王朝の支配下に入り、その行政区画や名称を変化させていきました。しかし、その中心となる地域は変わらず、現在の福建省北部における重要な位置を占め続けました。この地域の歴史を理解することは、中国の地方行政制度の変遷を理解する上で非常に重要です。

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