南山村 (佐賀県)

南山村（みなみやまむら / なんざんむら）

南山村は、かつて佐賀県小城郡に存在した村です。現在の佐賀市の一部にあたります。天山山系の北部に位置し、豊かな自然に恵まれた地域でした。

地理

南山村は、天山山系の北部山地、嘉瀬川上流の西側山地に位置していました。村内には、天河川、貝野川、須田川、鎌原川などの河川が流れ、豊かな水資源が村の生活を支えていました。

歴史

1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、小城郡の古湯村、畑瀬村、市川村、苣木村、杉山村、鎌原村、上熊川村、内野村、下熊川村、八反原村の10の村が合併し、南山村が誕生しました。合併後の村は、旧村名を継承した10の大字（古湯、畑瀬、市川、苣木、杉山、鎌原、上熊川、内野、下熊川、八反原）で構成されました。

1956年（昭和31年）9月30日、南山村は小城郡北山村、佐賀郡小関村と合併し、佐賀郡富士村を新設して廃止されました。合併後、南山村の各地域は富士村の大字として引き継がれ、古湯、畑瀬、市川、苣木、杉山、鎌原、上熊川、内野、下熊川、八反原という地名が残りました。

産業

南山村は、農業と林業が主な産業でした。山間部での稲作や野菜栽培、森林資源を活用した林業が営まれていました。また、村内には杉山鉱山があり、硅石が採掘されていました。

温泉

村内には、古くから湯治場として知られる古湯温泉と、熊の川温泉という2つの温泉地がありました。これらの温泉は、現在も多くの観光客に利用されています。

鉱山

杉山鉱山（硅石）

発電所

川上川第一発電所

交通

1892年（明治25年）頃、佐賀浜崎線（現在の国道323号）が開通し、村への交通アクセスが向上しました。

教育

1894年（明治27年）には、畑瀬、古湯、鎌原の3つの尋常小学校が合併し、古湯尋常小学校が設立されました。1901年（明治34年）には、市川と杉山の両尋常小学校が古湯尋常小学校の分教場となり、1908年（明治41年）には古湯尋常高等小学校となりました。1947年（昭和22年）には、南山中学校が開校し、村内の教育を担いました。

参考文献

角川日本地名大辞典 41 佐賀県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

* 佐賀県の廃止市町村一覧

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