南川文里

南川文里について

南川文里（みなみかわ ふみのり）は、1973年生まれの日本の社会学者です。彼の専門は歴史社会学、エスニシティ、そしてアメリカ合衆国に関する地域研究です。現在は同志社大学にて大学院教授を務める一方で、さまざまな学会や機関での役割も持ち、学問の発展に寄与しています。

学歴と経歴

愛知県に生まれた南川は、愛知県立旭丘高等学校を卒業後、一橋大学の社会学部へ進学しました。修士課程を経て博士課程にすすみ、最終的には一橋大学の大学院社会学研究科で単位を取得した後に専門研究を続けました。また、彼は日本学術振興会の特別研究員として、さらにはカリフォルニア大学ロサンゼルス校のアジア系アメリカ人研究センターにて客員研究員として経験を積みました。

その後神戸市外国語大学の英米学科の准教授を務めたのち、カリフォルニア大学バークレー校のエスニックスタディーズ学部にて客員研究員として活動。2016年からは立命館大学国際関係学部の教授として新たな知見を学生に提供し、指導しています。2017年に日本アメリカ史学会の編集委員会の代表に就任し、また2019年にはトロント大学のムンク国際問題公共政策大学院で客員教授を務めました。

ここ数年、南川は日本アメリカ史学会の運営代表としても活動しており、その後2022年には同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科のアメリカ研究クラスター教授としての任を担っています。さまざまな役割を通じて、彼はアメリカにおけるエスニシティや多文化主義に関する研究を深めることに尽力してきました。

研究テーマと成果

南川文里氏は、特にアメリカ合衆国の多文化主義やエスニシティの問題について卓越した知識を持っています。特に注目すべきは、彼が一橋大学で行った研究テーマです。「アメリカの人種エスニック編成における日系エスニシティ——エスニシティ、人種、ナショナリズムの相互関係をめぐる歴史社会学的研究」という論文により、彼は一橋大学から博士号（社会学）を取得しました。また、彼の著書『日系アメリカ人の歴史社会学―エスニシティ・人種・ナショナリズム』は、日本都市社会学会から若手奨励賞を受賞し、その研究の深さが評価されています。

さらに、南川氏は『未完の多文化主義：アメリカにおける人種、国家、多様性』により、大平正芳記念賞やアメリカ学会中原伸之賞を受賞しました。これらの業績は、彼の研究が国内外でどれほど高く評価されているかを示しています。

主な著書

南川文里氏が手がけた著作には以下のものがあります。

• - 『「日系アメリカ人」の歴史社会学―エスニシティ、人種、ナショナリズム』彩流社 (2007年6月)
• - 『アメリカ多文化社会論: 「多からなる一」の系譜と現在』法律文化社 (2016年2月1日)
• - 『マルチ・エスニック・ジャパニーズ : ○○系日本人の変革力』（佐々木てる, 駒井洋と共編著）明石書店 (2016年5月)
• - 『未完の多文化主義 : アメリカにおける人種、国家、多様性』東京大学出版会 (2021年1月)

これらの著作を通じて、南川氏は社会的な問題について考察を深め、研究成果を広く発信し続けています。

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