南斉書

南斉書について

『南斉書』は、中国の南朝時代における斉国の歴史を記録した重要な史書です。この作品は南朝梁の蕭子顕によって紀伝体の形式で編纂されており、中国の「二十四史」の一つとして位置付けられています。初めは『斉書』という名称でしたが、後に李百薬の『北斉書』との区別のために現在の名称である『南斉書』に改名されました。

作品の構成

『南斉書』は、全体で59巻から構成されており、その内訳は本紀8巻、志11巻、列伝40巻となっています。しかし、一説によると、著者である蕭子顕の自伝的な内容が含まれる1巻が失われてしまったため、現在は59巻の形になっています。記録されている時間帯は、高帝の建元元年（479年）から和帝の中興2年（520年）までの約41年間にわたります。また、北朝に関連する情報は「魏虜伝」に記載されています。

蕭子顕の立場と作品の評価

蕭子顕は高帝の孫にあたるため、自身の立場から南朝斉の歴史を詳細に記録しました。このため、彼の執筆する歴史書は信憑性についての評価が分かれることになります。例えば、歴史家の趙翼は『廿二史劄記』において、この作品の公正さを疑問視しており、蕭子顕が自分の実父、豫章王蕭嶷を特別に賞賛するための内容を編纂したことについて批判を行っています。

作品の構成詳細

『南斉書』の構成は以下の通りです：

本紀

• - 本紀第一 - 高帝上
• - 本紀第二 - 高帝下
• - 本紀第三 - 武帝
• - 本紀第四 - 鬱林王
• - 本紀第五 - 海陵王
• - 本紀第六 - 明帝
• - 本紀第七 - 東昏侯
• - 本紀第八 - 和帝

志

• - 志第一 - 礼上
• - 志第二 - 礼下
• - 志第三 - 楽
• - 志第四 - 天文上
• - 志第五 - 天文下
• - 志第六 - 州郡上
• - 志第七 - 州郡下
• - 志第八 - 百官
• - 志第九 - 輿服
• - 志第十 - 祥瑞
• - 志第十一 - 五行

列伝

• - 列伝第一 - 皇后一覧
• - 列伝第二 - 文恵太子
• - 列伝第十三 - 王琨
• - 列伝第十四 - 王僧虔
• - 列伝第十七 - 謝超宗
• - 列伝第三十八 - 魏虜
• - 列伝第四十 - 芮芮虜など

各章は、さまざまな人物の業績や、政治、軍事、文化に関連するイベントを網羅し、南朝斉における多様な側面を明らかにしています。

作品の後の影響

『南斉書』が編纂された後は『南史』が登場し、その結果としてあまり読まれることはなくなったと言われています。しかし、この書物は南朝の斉に関する貴重な歴史的資料を提供しており、現在でも歴史学や文学研究において重要な役割を果たしています。

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