南日本造船

株式会社南日本造船について

株式会社南日本造船（みなみにっぽんぞうせん）は、かつて大分県大分市に本社を持っていた造船会社です。今治造船の関連企業として、主に船舶の建造を行っていました。特に、豊後水道沿いの大分県南部は、リアス式海岸による良港に恵まれており、造船業が盛んな地域でもありました。

会社の設立と初期の発展

南日本造船は1974年、鹿児島県の串木野市で設立され、翌年には臼杵湾の下ノ江海岸において、75,000トン級の大型船舶を建造することが可能な下ノ江工場を開設しました。また、大分市内には日本製鉄大分製鉄所の敷地内に大分工場を設置し、船体ブロックの製造を手掛けました。これにより、地域の造船業を支える重要な工場となりました。

設備投資と新工場の建設

好況の時期には積極的に設備投資を行い、2014年にはパナマ運河の拡張に伴って大型船の需要が高まると予想し、大分市の臨海工業地帯に新造船所を建設することを決定しました。この新造船所には約140億円が投じられ、8年ぶりの新設工場となりました。また、2008年には15万トン級の船舶を建造できる大在工場も竣工しています。

経営の変動と事業譲渡

しかし、間もなくして業績が厳しくなり、鋼材の価格上昇や設計・建造のミスが影響し、結果として採算が悪化しました。2018年1月、南日本造船は三井造船および商船三井とともに、全事業を今治造船グループの新笠戸ドックに譲渡し、新たに株式会社南日本造船を設立しました。この新会社が全事業を引き継ぎ、经营の移行が行われました。

その後、株式会社南日本造船は大在工場内に本社を構えましたが、同年4月には旧会社の商号をマーレ株式会社に変更し、続いて特別清算の手続きを行うことになりました。この時点で旧会社の負債は約60億円にのぼり、法人格は2018年11月に消滅しました。

沿革と組織

株式会社南日本造船の沿革は、1974年の設立に始まり、事業譲渡、商号変更を経て最終的には清算に至るまで、様々な歴史的出来事が存在します。これらの出来事は、造船業がいかに変動の激しい業界であるかを示しています。

本社が置かれていた大在工場や下ノ江工場（現在は隣接する下ノ江造船に譲渡）なども、かつては地域の経済を支える重要な拠点でしたが、今では新たな企業体としての姿が見えつつあります。南日本造船の歴史を通じて、造船業界の挑戦や変化を知ることができます。

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