南星丸

南星丸（なんせいまる）

南星丸は、鹿児島大学が所有し、同大学の水産学部によって利用される多目的な練習船および調査船です。この船は、直接的な教育活動だけでなく、海洋調査にも幅広く利用されています。2017年時点で稼働中のものは、南星丸の3代目となります。

歴史と概要

南星丸の歴史は、1957年にさかのぼります。この年、最初の漁業練習船「しろやま」が建造され、純トン数は18.46トンを記録しました。1967年3月20日には、2代目の木製漁業練習船「南星丸」が竣工し、純トン数は44.56トンとなっています。この船は、その当時の他の漁業練習船に比べて、沿岸での網漁業に特化した活動を行うことを目指しました。

1976年には、2代目南星丸が完成し、その後2002年11月に現在の3代目南星丸が長崎造船所で竣工しました。この3代目は、敬天丸の後継として、南西諸島海域で実習や調査を行う役割も担っています。2003年には、シップ・オブ・ザ・イヤー2002で準賞を受賞し、同年の4月には水産専攻科の廃止と共に敬天丸も廃船となりました。

操作と特徴

南星丸は、主に錦江湾内や九州沿岸、南西諸島海域を実習海域とし、日帰りから3日または4日間にわたる短期航海を行っています。漁獲調査やさまざまな海洋調査を実施しており、外部からの共同利用にも対応しています。船体は白色で、両側には目立つ赤色で「Nansei」という名前が大きく描かれています。船長や航海士は、准教授や助教授が務めています。

一般の方々向けに行われる見学会もあり、南星丸の内部を公開する機会があります。これにより、教育の一環として、海洋に対する理解を広げる取り組みが進められています。

観測設備

南星丸には様々な先進的な観測装置が装備されています。具体的には、トロールウィンチ、トロール漁具動態監視装置、ソナーウィンチ、計量魚群探知機、CTD測定装置、多層式超音波流速計、水中テレビカメラ装置、深海用ウィンチ、船尾Aフレームクレーンなどが含まれています。これらの機器により、精密な観測とデータ収集が可能となり、研究や教育に役立っています。

関連項目

南星丸の活動は、鹿児島大学の教育プログラムと密接に関係しています。また、鹿児島大学水産学部では「かごしま丸」と呼ばれる別の船も使用されていますが、これは南星丸よりも大きなサイズを持つ船です。

まとめ

南星丸は、鹿児島大学水産学部の教育と研究において重要な役割を果たしており、その優れた設備と機能によって、海洋についての理解を深めています。今後も多くの学生がこの船を利用し、実習に励むことでしょう。

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