南条元続

南条元続

南条元続（なんじょう もとつぐ）は、安土桃山時代の武将であり、大名として歴史に名を刻んでいます。

生涯

天文18年（1549年）、伯耆国（現在の鳥取県中西部）の国人である南条宗勝の嫡男として生を受けました。南条氏は、伯耆国における有力な国人勢力であり、元続は若くしてその家督を継ぐことになります。

天正3年（1575年）、父である宗勝の死により家督を相続しました。同年、毛利氏の一族である吉川元春から、家督と所領の安堵を受けています。当時の南条氏は、強大な勢力を持つ毛利氏の傘下に入っていました。

しかし、織田信長の勢力が因幡国（現在の鳥取県東部）へ拡大してくるにつれて、元続は新たな動きを見せます。尼子氏の遺臣である福山茲正の仲介により、毛利氏から離反し、織田氏と密かに連絡を取り合うようになったのです。これは、時代の流れを読み、生き残りをかけた決断でした。

天正8年（1579年）9月、福山茲正らを殺害した重臣の山田重直が立て籠る堤城を攻撃し、重直・信直父子を鹿野へ敗走させました。これにより、南条氏は毛利氏と完全に決別することになります。その後、豊臣秀吉による鳥取城攻撃の際には、自身の居城である羽衣石城を拠点に、毛利氏による鳥取への援軍を妨害し、鳥取城の落城を早める一因となりました。この功績により、秀吉からの信頼を得ることになります。

天正10年（1582年）9月、毛利氏の猛攻を受け、羽衣石城は落城してしまいます。しかし、天正12年（1584年）の羽柴（豊臣）氏と毛利氏の和睦によって、八橋川以東の伯耆東3郡、6万石（一説には4万石）の領有が認められ、羽衣石城に復帰を果たしました。これにより、南条氏は豊臣政権下において、一定の地位を確保することになります。

以降は、秀吉の傘下に入り、九州征伐にも亀井茲矩、宮部継潤、荒木重堅、垣屋光成らと共に参戦し、武功を挙げました。南条氏は、豊臣政権下において、重要な役割を担うことになったのです。

天正15年（1587年）7月27日には、従五位下・右衛門尉に任官されました。後に伯耆守にも任官されますが、中風を患い、政務を行うことができなくなってしまいます。そのため、弟である小鴨元清が代わりに政務を執るようになりました。しかし、天正18年（1590年）の小田原征伐には、病をおして自ら出陣しました。これは、秀吉への忠誠を示すためであったと考えられています。

天正19年（1591年）7月17日、病により死去しました。享年43歳。その遺体は、同国久米郡定光寺と羽衣石城下の景宗寺に葬られました。南条元続の死後、南条氏はその勢力を維持しながら、江戸時代を迎えることになります。

南条元続は、激動の戦国時代から安土桃山時代にかけて、その時々の情勢を的確に判断し、自らの勢力を維持するために奔走しました。織田信長、豊臣秀吉という時代の覇者に仕え、その才能を発揮した武将として、歴史に名を残しています。

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