南極における領有権主張の一覧

南極における領有権主張の概要

南極は、19世紀まで誰も住んでいない無人地帯でしたが、20世紀に入り世界各国が探検を行い、その成果をもとに領有権を主張するようになりました。特に、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、フランス、ノルウェーの5カ国は、自国の主張する地域が重ならないよう調整し合い、互いの領有権を承認することで合意を持ちました。一方で、アルゼンチンとチリは、イギリスの主張する地域と重複する部分で独自の領有権を主張し、これにより対立が生まれていました。

1959年には南極条約が締結されることで、これらの領有権の主張は凍結されました。この条約の第4条により、現在まで領有権は承認されたものの放棄や否定はされておらず、各国の主張はそのまま残っています。領有権をめぐる争いは、今もなお続いているのです。

セクター主義と無主地

多くの国が採用しているセクター主義において、領有権は南極大陸を何本かの区域に分け、それぞれの国が特定のセクターを主張します。特に注目すべきは、西経90度から西経150度にかけての地域です。ここにはマリーバードランドが含まれており、現在のところどの国も領有を主張していない無主地とされています。この地域は、国際的に領有権が未確定なため、研究や探検に自由に使われることが期待されています。

南極の郵便切手

南極の領有権に関する国々の活動の一環として、イギリス、フランス、オーストラリア、ニュージーランドは、それぞれ南極で使用するための郵便切手を発行しています。オーストラリアの切手は本土でも使用可能ですが、他の国の切手は南極地域でのみ使われるもので、実際の使用例は非常に限られています。特に南極の特異な環境を考慮すると、郵便のやり取りも数が少なくなりがちです。

その他の国の動き

南極への領有権に関して、ブラジルは「ブラジル領南極」として自国の関心地域を提案しています。また、ドイツは1939年に探検隊を派遣し、ドロンニング・モード・ランドの一部を調査しましたが、この探検は極秘であり、公式な領有権主張には至りませんでした。

日本の白瀬矗は1912年に南極の最南端に到達し、「大和雪原」と名付けて日本領を宣言しました。しかし、後にこの地域が棚氷の上に位置していることが判明し、その主張は法的にも無効となってしまいました。第二次世界大戦後に、サンフランシスコ平和条約に基づいて日本政府は南極地域の領有権を放棄しました。

結論

以上のように、南極における領有権主張は様々な国々の関与や探検活動によって形成されてきましたが、南極条約によってその主張は凍結されている状況です。国際的な協力や研究の場としての性質を持つ南極ですが、国の立場や歴史的背景が複雑に絡み合っており、今後の動向が注視される我々の大切な地域であることは間違いありません。

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