南氏

南氏について

南氏（みなみし）は南部氏に属する庶家であり、源氏を起源としています。この一族は清和源氏の流れを汲み、河内源氏の傍系にあたります。また、南部氏の重要な一門である三戸南部氏の庶族として位置付けられています。南氏の祖先は南遠江守長義であり、彼は三戸南部氏22代惣領の三男であったとされています。具体的には、南部氏の22代惣領にあたる南部政康の三男にあたるとされる文献も存在します。

南氏の歴史的背景

長義は浅水城の城主となり、屋敷が三戸城の南側に位置していたため「南氏」と称されました。屋裏の変では、彼の子孫である信義が南部信直を支持し、北信愛と連携して南部晴政に対抗。これにより、信直は26代目の継承者となることに成功しました。また、九戸政実の乱においても南氏は大きな役割を果たしました。特に南盛義は、この戦乱の中で戦死しています。彼の妻は南部晴政の娘であり、その血縁関係も歴史に浅い影響を及ぼしました。

興味深いのは、盛義についての異なる系譜の記載です。『岩手県史』では、盛義の戦死のみが記されていますが、南部家文書に見られる「慶儀」の不在に関する指摘から、慶義と慶儀が同一人物であるとする意見も存在します。これによれば、慶義は九戸氏側の戦士だった可能性があるとされています。南氏の家系の流れは非常に複雑で、同じく長義の次男である南直勝は九戸氏側に加わり、滅亡した七戸家の居城に住することで新たに七戸氏と称しました。また直政は青森県おいらせ町に領地を持ち、下田氏を名乗りました。

家系の変遷

南盛義の後は弟の南直義が家督を継ぎ、3000石を知行していましたが、長男の南晴政は幼少だったため、藩主の南部利直の子、利康が養子として迎え入れられました。利康はその後5000石に加増されましたが、寛永8年（1631年）に嗣子なくして亡くなり、一時南氏は断絶します。しかし、寛永10年（1633年）には直義の実子である晴政が300石で再興され、以降南氏は復活を果たしました。

さらに、文政元年（1818年）に南晴陽は他の一族とともに南部姓に戻りました。

南氏 (高氏)

南氏は高氏の庶家にも存在します。本姓は高階氏であり、鎌倉時代に高重氏から分かれた一族です。南北朝時代には南重長や南宗継らが活躍したことが知られています。

参考文献

• - 『南部藩参考諸家系図 第１巻』国書刊行会、1984年。ISBN 978-4-336-01144-2。
• - 『角川日本姓氏歴史人物大辞典 第3巻 「岩手県姓氏歴史人物大辞典」』角川書店、1998年。ISBN 4-04-002030-8。

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