南部戦線 (アメリカ独立戦争)

南部戦線の概要

南部戦線（Southern theater of the American Revolutionary War）は、アメリカ独立戦争中の主要な戦闘が行われた地域を指し、特にフランスがアメリカ側で参戦した後に作戦の中心となりました。独立戦争の初期3年間は主に北部、特にボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアが戦場となりましたが、サラトガ方面作戦が失敗した後、イギリス軍は戦略を変更し、南部植民地での優位を狙うようになります。

初期の動き（1775年-1778年）

1775年4月20日、バージニア植民地では火薬事件が起こります。この事件は、当時の総督ダンモア卿が民兵から火薬を奪おうとしたことに端を発し、愛国者民兵隊が反発しました。以降、独立戦争が始まり、ダンモアは逃亡奴隷に自由を与え、イギリス軍に加わるよう訴えかけました。アメリカ側の大陸軍はロイヤリスト軍との戦闘を繰り返しますが、ダンモアはノーフォークから逃げ、以降の南部戦線に多大な影響を及ぼすことにもなります。

イギリス軍の南部進出と初期の作戦

1776年にイギリス軍が南部を制圧するために動きます。チャールストン港のサリバン砦攻撃などが行われますが、不成功に終わります。1796年まで南部植民地は愛国者に管理され、イギリス軍はロイヤリストの支持を期待しますが、実際にはロイヤリストの支援は限られたものでした。1778年にはサバンナが占領され、続いてチャールストンがターゲットとして選ばれました。

南部戦線の主要な戦闘

1779年、アメリカとフランスの同盟軍がサバンナを奪還しようと試みますが、失敗に終わりました。この戦闘での損害はアメリカ側に大きく、イギリス軍はその後も攻勢を続けることになります。1780年にはチャールストンの包囲が行われ、アメリカ軍が降伏。大陸軍にとっての大きな打撃です。

その後、ナサニエル・グリーン将軍が指揮を執り、戦略的な消耗戦を展開します。彼らの戦闘は続き、特にキングスマウンテンやカウペンスの戦いなどでいくつかの勝利を収め、イギリス軍に対し圧力をかけ続けました。

ヨークタウンの戦い

最終的にコーンウォリスはバージニアに進軍し、ヨークタウンで包囲されます。アメリカ軍とフランス軍の連携が際立つ中で、1781年10月19日、コーンウォリスは降伏を余儀なくされます。これは独立戦争の決定的な転機となり、イギリスの戦争遂行努力は中断され、その後のイギリス国内の世論にも大きな影響を与えます。

結論

南部戦線は、アメリカ独立戦争において、戦略、戦術、そして国際的な同盟の重要性が試された場であり、最終的にアメリカ合衆国の独立に向けた道を切り開く重要な役割を果たしました。

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