南風見

南風見の概要

南風見（はいみ）は、日本の南西諸島に属する沖縄県八重山郡竹富町の大字であり、西表島の南東部に位置しています。この地域は郵便番号907-1434が付与されています。南風見は、地理的にも文化的にも豊かな歴史を持つ集落の一つであり、現地の生活や自然と深く結びついています。

地理的特徴

南風見は、南部の豊原集落から仲間川の中上流部分までを含む広大な面積を誇る地域です。沖縄県道215号白浜南風見線の起点となっており、交通の要所となっています。県道沿いの北側には字南風見仲（はいみなか）があり、直接道路は通っていない西側では字西表と接しています。

かつては、南風見は複数の小字に分けられていました。特に大原と豊原は重要な集落であり、それぞれ異なる歴史的背景を持っています。

大原の歴史

大原は、1938年から1941年にかけて新城島の農民が集団移住し、形成された比較的新しい入植地です。ここには西表島と本土を結ぶ重要な仲間港（大原港）があり、島の交通や経済の中心地となっています。1960年代からは、竹富町外にある石垣市の町役場の移転候補地としても挙げられていますが、様々な意見があり、なかなか具体化していない状況です。

豊原の特徴

豊原は大原の南側に位置し、18世紀には波照間島からの入植者たちが開拓村を設立した場所です。交通面では、県道215号線に沿って走る西表島交通の路線バスの発着点になっています。特に南風見田の浜は、夏の海水浴客で賑わいを見せる美しい海岸です。しかし、太平洋戦争中には波照間島からの疎開者たちがマラリアの影響で多くの犠牲を出した歴史も持っています。この悲劇を悼むために、波照間国民学校の校長であった識名信升は戦後に、戦争の犠牲者を記憶するための石に「忘勿石 ハテルマ シキナ」という刻印をしました。1992年にはマラリアの犠牲者を慰霊する「忘勿石之碑」が新たに建設されています。

南風見の文化と名所

南風見は歴史的に琉球王国時代があり、1734年には波照間島の島民が強制的に移住させられて開拓村が形成されました。しかし、マラリアの流行により入植は中断し、村自体も廃村となりました。20世紀に入り、マラリアが根絶されたことで再び入植が行われるようになりました。

この地域にはいくつかの名所や施設も存在しており、観光客や地域住民にとって重要な場所となっています。代表的なものには仲間港（大原港）や西表島交通本社、竹富町役場西表東部出張所、さらには学校や郵便局、警察署も存在しています。また、南風見田の浜とキャンプ場、さらにはリゾート施設であるラ・ティーダ西表リゾートも訪れる人々に人気です。

南風見はその美しい自然環境や歴史的な背景によって、多種多様な文化を育んできた地域であり、今なお集落の活気を保ち続けています。

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