南魚沼市立五十沢中学校

南魚沼市立五十沢中学校（みなみうおぬましりついかざわちゅうがっこう）は、かつて新潟県南魚沼市宮に所在した市立中学校です。地域の教育拠点として長年にわたり重要な役割を担いました。

概要

本校は1947年 5月20日にその歴史をスタートさせました。地域住民からは親しみを込めて「五中」（ごちゅう）と呼ばれ、多くの卒業生を送り出してきました。創立から閉校までの累計卒業者数は6,000名を超えます。少子化や地域の中学校再編に伴い、2017年度末の2018年3月31日をもって閉校。南魚沼市内の大巻中学校、城内中学校とともに統合され、同年4月に新設された南魚沼市立八海中学校へとその機能を引き継ぎました。閉校直前の2017年度における生徒数は95名でした。

施設

校舎は鉄筋コンクリート造の3階建てで、体育館を併設していました。特徴的なのは、敷地内に新設された五十沢小学校と1階の連絡通路で接続されており、小中連携を深めるための環境が整っていた点です。普通教室は6部屋に加え、理科室、音楽室、図書室、視聴覚室といった特別教室が設けられていました。また、小学校と共有で使用する形で、美術室、木工室、金工室、被服室、家庭科室、コンピュータ室などが整備されていました。体育館は1,979平方メートル、プールは325平方メートル、そして広々としたグラウンドは10,592平方メートルを有していました。

校歌

本校の校歌は、山田親一氏が作詞を手がけ、小出浩平氏が作曲を担当しました。長年にわたり生徒たちの声で歌い継がれました。

沿革

五十沢中学校の歩みは、1947年 5月20日に五十沢村立五十沢中学校として、西五十沢小学校の校舎を間借りして開校したことから始まりました。同年10月20日には、東五十沢小学校内に分室が設けられています。現在の地に校舎が完成し、落成式が挙行されたのは1952年 4月27日のことでした。校歌は1952年 9月24日に制定され、生徒たちの歌声として定着しました。1956年 9月1日には、五十沢村が六日町に編入合併したことに伴い、校名が六日町立五十沢中学校に変更されました。同月20日には校旗が樹立されています。

創立20周年を迎えた1967年11月4日には記念行事が行われ、生徒と教職員が協力してシンボル像「みる」を完成させたほか、ブラスバンドが編成されるなど、学校の活性化が図られました。体育施設も充実し、1972年7月18日にはプールが完成しました。生活様式の変化に対応し、1973年3月31日には寄宿舎が廃止され、バス通学が開始されています。

施設の更新も進められ、1992年7月には新校舎が竣工し、同月29日に新しい学び舎への移転が行われました。教育環境の近代化として、1993年1月29日にはコンピュータ室が設置され、1994年12月30日には新たなグラウンドが完成しています。創立50周年の節目にあたる1996年11月4日には、記念式典が盛大に挙行されました。

市町村合併の影響も受け、2004年 11月1日に六日町と大和町が新設合併して南魚沼市が誕生したことに伴い、校名が南魚沼市立五十沢中学校へと改称されました。隣接する五十沢小学校の移転新築工事を経て、2011年4月1日には小学校が敷地内に新設開校し、中学校との間に連絡通路が設けられ、連携が強化されました。

閉校が決定してからは、学校の歴史を締めくくる様々な行事が行われました。2017年4月6日には、本校としては最後となる新任式と年度始業式が行われました。同年11月19日には閉校記念式典が催され、学校の歩みを振り返るとともに、閉校記念碑が建立・披露されました。最後の年度における生徒たちの活躍もあり、2018年1月には新潟県中学校クロスカントリースキー大会で3年生男子生徒が優勝を飾りました。そして2018年3月5日、第71回卒業証書授与式が最後の卒業式として厳粛に執り行われました。2018年3月31日をもって、南魚沼市立五十沢中学校はその71年の歴史に幕を下ろし、八海中学校へと統合されました。

閉校後の旧校舎の一部は、地域の拠点として活用されています。2019年5月上旬からは、五十沢地域開発センターが入所し、地域活動の場として利用されています。

主な出身者

大平喜信（雪国まいたけ創業者・代表取締役）

アクセス

JR上越線・北越急行ほくほく線六日町駅より7.6km、JR上越線五日町駅より8.9kmの距離に位置していました。公共交通機関を利用する場合は、南越後観光バスのMD線「五十沢小学校前」バス停から徒歩すぐでした。

南魚沼市立五十沢中学校