卸売スーパー

有限会社卸売スーパーが運営する「卸売スーパー」は、主に北海道の道央圏を中心としたスーパーマーケットグループであり、ディスカウントストアとしての性格を強く持っています。かつては「りんごハウス」という屋号で営業していましたが、現在は店舗グループ名としてその名残を残しており、「りんごハウスグループ」としても活動しています。全国規模のボランタリーチェーンである全日食チェーンにも加盟しています。

概要と特徴

卸売スーパーは、自社による直営店の展開に加え、道央圏以外の地域ではフランチャイズ方式による生鮮スーパーマーケットの経営も行っています。販売戦略の核となるのはディスカウント販売であり、取り扱い商品は生鮮食品（青果、鮮魚、食肉）、一般食品、花卉類に特化しています。一般的なスーパーマーケットで見られる調理器具や洗剤などの日用品は扱っていません。このような商品構成は、卸売スーパーの独特な形態と言えるでしょう。特に、生鮮部門においては、道内でもトップクラスの低価格を実現していることが大きな強みです。また、小型の店舗でも容量の多い業務用調味料が置かれている点も特徴的です。新規店舗の出店においては、既存の建物を活用する居抜き出店が多い傾向にあります。

沿革

卸売スーパーの歴史は1975年（昭和50年）に遡ります。この年に「りんごハウス」の屋号で事業を開始しました。その後、2000年（平成12年）に屋号を現在の「卸売スーパー」に変更しました。2005年（平成17年）には、同年6月に手稲サティ跡地に卸売スーパー手稲店を開店し、大型店舗への進出を果たしました。同年11月からはフランチャイズ経営を導入し、翌年には釧路市や釧路町に初のフランチャイズ店舗をオープンしました。2010年（平成22年）4月にはコジマ平岡店跡地にアウトレット業態の平岡店を、2011年（平成23年）7月にはJJ CLUB 100跡地に買いだめ市場業態の美しが丘店を開店するなど、新たな業態の展開も進めました。2012年（平成24年）5月には、創業の地である月寒店と旧手稲店が閉店しましたが、手稲店は同年5月末にダイエーおよびヤマダ電機の跡地に「卸売スーパー現金問屋手稲店」として移転・大型化オープンしています。近年の動きとしては、2022年3月には北郷店が閉店しています。

派生業態

卸売スーパーはその販売戦略やターゲットに応じて、いくつかの派生業態を展開しています。

アウトレット卸売スーパー: 食品版アウトレットモールをコンセプトとした業態です。ここでは、メーカーや卸売業者の在庫品、季節外れの商品、傷や不揃いのあるB級品、そして賞味期限が間近に迫った商品などが主に販売されます。
買いだめ市場卸売スーパー: 業者向けの食品問屋のスタイルを一般消費者に提供することをテーマとしています。ケース販売などの大量購入が中心ですが、もちろん小売りにも対応しています。「買いだめ」という店名にもかかわらず、日替わり特価品には購入数制限が設けられることもあります。かつて運営していた「食品現金問屋安心屋」で培ったノウハウが集約されています。
卸売スーパー現金問屋: 旧手稲店で成功した大型店舗運営の経験をさらに発展させた業態です。それまでの小規模店舗中心の展開とは異なり、広大な店舗面積を特徴としています。この業態では、従来の「地域最安値」や「特売」を前面に出すのではなく、安定した平均価格で長期的な顧客利用を目指す運営方針が取られています。

店舗展開

卸売スーパーは直営店とフランチャイズ加盟店の両方の形態で店舗を展開しています。

直営店舗

卸売スーパー: 北42条店（旧りんごハウス北42条店）、新さっぽろ店（複数の旧店舗跡に出店）、美唄店（旧りょーゆーのFCから直営化）、岩見沢店（旧りょーゆー鉄北店跡）、清田店（旧カラオケ店跡）。
アウトレット卸売スーパー: 平岡店（旧コジマEXEO跡）。
卸売スーパー現金問屋: 手稲店（旧ダイエー・ヤマダ電機跡、本社併設）。この店舗は店舗面積約6,750m2を誇る最大規模の店舗で、直営のフードコート「馬鹿値食堂」も併設されています。

フランチャイズ加盟店

卸売スーパー公式サイト上の店舗名と異なる場合もありますが、複数の企業がフランチャイズとして加盟し、北海道各地で店舗を展開しています。主な加盟企業には株式会社萩見総合食品センター（ユアーズ卸売スーパー）、有限会社スーパーヒロセ（FC脱退後も協力関係継続）、合名会社あいちょう（FC契約解消後も協力関係継続）、株式会社こしん（FC契約解消後も協力関係継続）などがあり、それぞれ稚内市や釧路市、枝幸町などで店舗を運営していました（一部はFC契約解消・閉店）。

過去に存在した店舗

多くの店舗が出店・閉店や業態転換を繰り返しています。直営店では、川下店（旧安心屋）、月寒店（創業地、津司邸宅併設）、旧手稲店（初の大型店、現手稲店へ移転）、美しが丘店（買いだめ市場業態）、北郷店（旧りんごハウス）などが閉店しています。フランチャイズ店では、千歳店などが契約会社の都合で閉店したほか、前述のスーパーヒロセやあいちょう、こしんがフランチャイズ契約を解消し、それぞれ独自路線や別ブランドでの営業、または閉店に至っていますが、多くの場合は引き続き協力関係を維持しています。

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