厚沢部町

厚沢部町は、北海道の南西部に位置する檜山振興局の南東部にあり、農林業を基幹産業とする町です。町の名前はアイヌ語に由来するとされ、「楡皮のそば」や「桜鳥」といった意味を持つという説があります。周囲を山々に囲まれ、その面積の約8割を山林が占めています。

地理

厚沢部町は、檜山管内の南東部に位置しており、北は八雲町や森町、南は上ノ国町や木古内町、西は乙部町や江差町、東は北斗市と隣接しています。町内には太鼓山や二つ山などの山々がそびえ、厚沢部川、安野呂川、鶉川、館川などの河川が流れています。

気候

ケッペンの気候区分によると、厚沢部町は亜寒帯湿潤気候または湿潤大陸性気候に属しており、寒暖の差が激しい大陸性気候です。冬には-20℃を下回ることも珍しくなく、降雪量も多いことから、特別豪雪地帯に指定されています。

歴史

歴史的には、松前藩の所領であり、17世紀にはヒバの伐採のために本州から杣夫が移住し、農業を始めたのが開拓の始まりです。江戸時代末期には、旧幕府脱走軍が福山城を攻略した際、松前藩主が館城に避難しましたが、その後旧幕府軍に攻められ、一時的に津軽半島に逃れることとなりました。明治時代に入り、廃藩置県を経て北海道開拓使の管轄となり、1906年には厚沢部村として二級町村制を施行し、1963年に町制を施行して現在に至ります。

産業

基幹産業は農業と林業です。特にメークインや光黒大豆などの特産品が知られています。

交通

鉄道は現在町内を通っていませんが、北海道新幹線が建設中で、将来的には渡島トンネルが町内を経由する予定です。主な交通手段は自動車で、函館市から車で約1時間15分、江差町から約12分の距離にあります。国道227号や複数の道道が町内を通っています。

名所・観光

松前氏城跡 館城跡: 歴史的な史跡として知られています。
鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯: 天然記念物であり、珍しい五葉松の自生地です。
土橋自然観察教育林: 「日本の遊歩100選」にも選ばれた自然豊かな森林です。
太鼓山展望台: 町の景色を一望できる展望台です。
うずら温泉、館町いこいの家、俄虫温泉: 町内には、温泉施設が点在しており、地元住民や観光客に利用されています。
道の駅あっさぶ:地元の特産品などが販売されています。

文化

厚沢部町では、鹿子舞などの伝統芸能が継承されています。また、毎年夏には商工会青年部による巨大コロッケ作りが行われ、2022年にはギネス世界記録に認定されました。

その他

厚沢部町の名前は、全国的に「あつさわべ」と読まれることが多いですが、正しくは「あっさぶ」と読みます。町内には、ヒバの北限とトドマツの南限が混在しており、多様な植生が見られるのも特徴です。

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