厚狭川

厚狭川（あさがわ）

山口県美祢市と山陽小野田市を流れる二級河川である厚狭川は、その源を美祢市と長門市の境にある大ヶ峠付近に発します。そこから南へ流れ、国道316号やJR美祢線と並走しながら、山陽小野田市へと至り、周防灘に注ぎます。

地理的特徴

厚狭川の特筆すべき点として、美祢市於福付近では、左岸側の秋吉台（西台）山麓に潜入する水系を通じて、厚東川との間で河川争奪が起こっていることが挙げられます。この地下水系は、東方約4kmに位置する美祢市秋芳町真木の白水の池に湧き出し、厚東川へと合流しています。さらに、美祢市大嶺町祖父ヶ瀬の河床からは、秋吉台に由来するカルスト水が湧き出ており、その量は日量約1万㎥にも及び、上水道源として利用されています。

山陽小野田市厚狭地区には、民話「厚狭の寝太郎」の舞台となった寝太郎堰が今も残されています。この堰は、かつて地域の農業用水を確保するために重要な役割を果たしていました。河口部には広大な干潟が広がっており、アサリ（小野田あさり）の良質な漁場として知られていましたが、近年では漁獲量が大幅に減少しています。これは、環境の変化や乱獲など、複合的な要因が影響していると考えられます。

主な支流

厚狭川には、以下の主要な支流が流れ込んでいます。

麦川川
伊佐川
原川
随光川

これらの支流は、厚狭川の豊かな水量を支えると共に、流域の生態系を形成する上で重要な役割を担っています。

流域の自治体

厚狭川の流域には、以下の自治体が含まれます。

山口県
美祢市
* 山陽小野田市

厚狭川は、これらの地域の人々の生活や産業に深く関わっており、その恵みは多岐にわたります。

厚狭川は、その豊かな自然と歴史を背景に、地域にとってかけがえのない存在です。しかし、近年では環境問題や資源の枯渇など、様々な課題に直面しており、これらの課題にどのように取り組んでいくかが、今後の地域社会の発展において重要になってきます。

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