原口清

原口清

原口清（はらぐち きよし、1922年2月17日 - 2016年11月14日）は、日本の歴史学者であり、特に日本近代史を専門としていました。名城大学の名誉教授であり、その研究と教育活動は、日本の歴史学界に大きな足跡を残しました。

生い立ちと学歴

原口清は、静岡県榛原郡地頭方村新庄（現在の牧之原市）に生まれました。1936年に清水市入江尋常高等小学校高等科（現在の静岡市立清水入江小学校）を卒業後、1940年には専門学校入学者検定試験に合格。1942年には旧制静岡高等学校文科甲類に入学し、その後1944年に東京帝国大学文学部宗教学科へ進学しましたが、後に国史学科へ転科しました。1948年には東京帝国大学文学部国史学科を卒業し、卒業論文では「幕末長州藩の藩政改革」をテーマに研究を行いました。

職歴

大学卒業後、原口清は教育者としてのキャリアをスタートさせます。1949年には埼玉県立川口高等学校の教諭となり、1952年には静岡県立静岡法経短期大学の講師に就任。その後、1956年には同短期大学の助教授、1957年には静岡大学法経短期大学部の助教授、そして1964年には同大学の教授へと昇進しました。1969年には静岡大学法経短期大学部の主事も務めました。1971年からは名城大学に移り、商学部の教授として教鞭を執り、同大学の商学部長、協議員、学校法人名城大学評議員などを歴任し、1993年に名城大学商学部を定年退職しました。

研究活動と著作

原口清の研究は、日本近代史、特に幕末から明治期にかけての政治史に焦点を当てたものが多く、その研究成果は数多くの著作として発表されています。

単著

『戊辰戦争』（塙書房、1963年）
『日本近代国家の形成』（岩波書店、1968年）
『明治前期地方政治史研究』上巻・下巻（塙書房、1972年・1974年）
『自由民権・静岡事件』（三一書房、1984年）

共著

（海野福寿）『静岡県の歴史. 近代・現代編』（静岡新聞社、1979年）
（海野福寿）『静岡県の百年』（山川出版社、1982年）

これらの著作は、日本の近代史研究において重要な文献とされており、原口清の研究の深さと幅広さを示しています。

著作集

原口清著作集編集委員会編『原口清著作集』全5巻（岩田書院、2007年-2008年）
1巻『幕末中央政局の動向』（解説：高木不二）
2巻『王政復古への道』（解説：家近良樹）
3巻『戊辰戦争論の展開』（解説：松尾正人）
4巻『日本近代国家の成立』（解説：勝田政治）
5巻『自由民権運動と静岡事件』（解説：田村貞雄）


『原口清著作集』は、原口清の生涯にわたる研究活動の集大成であり、彼の日本近代史研究に対する貢献を深く理解する上で欠かせない著作集となっています。

原口清は、教育者として多くの学生を育成し、また歴史学者として日本近代史の研究に多大な貢献をしました。その功績は、学術界に留まらず、広く社会にも影響を与えました。

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