原夫次郎

原夫次郎の生涯と業績

原夫次郎（はら ふじろう）は、明治8年（1875年）6月14日に島根県平田市（現・出雲市）に生まれました。彼は、日本の政治家や弁護士として幅広い活動を展開し、特に初代島根県知事として知られています。法学においても優れた知識を持ち、影響力を発揮しました。

教育と法律界でのキャリア

彼が法学の道を志すきっかけは、和仏法律学校（現在の法政大学）での勉学です。1896年、文官高等試験の司法科に合格し、以後、判事や検事として法律の実務経験を積みます。1899年には弁護士試験にも合格し、法律界での基盤を固めていきました。さらなる自己研鑽のため、大正元年（1907年）にフランスに留学し、パリ大学やグルノーブル大学で学びました。この留学で得たフランス法学の博士号は、彼のキャリアにおいて重要な資産となりました。

帰国後は、法政大学で講師として後進の指導にあたる傍ら、司法大臣の秘書官としても活動しました。大正時代には、内閣の重要な役割を担い、原敬首相や清浦奎吾首相を支える秘書官として実務経験を積みました。これにより、政治の舞台に足を踏み入れることになります。

政治活動と衆議院議員

彼の政治家としてのキャリアは、1920年の第14回衆議院議員総選挙において立憲政友会から出馬し当選したことから始まりました。その後、彼は9期連続で衆議院議員選挙に選出され、特に昭和17年（1942年）の翼賛選挙でも非推薦ながら当選を果たしました。これは、彼の高い支持率と人気を物語っています。昭和21年（1946年）の第22回衆議院議員選挙では日本進歩党から立候補し、再度当選を果たします。

島根県知事としての功績

昭和22年（1947年）、原夫次郎は島根県の初代公選知事に就任し、昭和26年（1951年）までその職にありました。彼の就任中、地域振興や社会福祉の向上に注力し、島根県の発展に貢献しました。特に農業や教育の振興に力を入れ、地域住民とのコミュニケーションを大切にしたことが評価されています。

晩年と死去

昭和26年（1951年）には弁護士として開業し、社会活動を続けながらも、法律実務にも従事しました。彼は昭和28年（1953年）に78歳で亡くなり、その墓所は護国寺にあります。原夫次郎の人生は、法律・政治の両面から日本の発展に寄与したものとして、多くの人々に記憶されています。

家族

原夫次郎の妻は原カチで、彼女は保科陽治の妹でした。このように彼は、家庭生活においても重要なつながりを持っていました。

参考文献

• - 山陰新報社編『島根縣人名鑑』1953年、222頁。
• - 伊藤菊之輔『島根県人名事典』1970年、40頁。
• - 山陰中央新報社・島根県歴史人物事典刊行委員会編『島根県歴史人物事典』1997年、463頁~464頁（内藤正中）。

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