原爆資料館停留場

原爆資料館停留場：平和への祈りと歴史を繋ぐ路面電車

原爆資料館停留場は、長崎県長崎市川口町に位置する長崎電気軌道本線の停留所です。駅番号は20で、1号系統、2号系統、3号系統が停車します。この停留所は、平和への願いを込めて、長崎の歴史を今に伝える重要な役割を担っています。

歴史

当停留所は、1920年（大正9年）の路線延伸に合わせて開業しました。開業当初は浜口停留場と呼ばれていましたが、後に浜口町停留場に改称されました。

1945年（昭和20年）8月9日の原爆投下により、長崎電気軌道の路線は全線不通となりました。しかし、1947年（昭和22年）には、浦上駅前から当停留所までの区間が復旧し、都市計画に基づいて直線で結ばれました。

1990年（平成2年）には、平和公園停留場寄りに長崎西洋館が開館し、本線の軌道が建物をくぐるという珍しい光景が誕生しました。当初は建物内に停留場を設ける計画もありましたが、実現には至りませんでした。2018年（平成30年）に、現在の原爆資料館停留場に改称されています。

年表

1920年（大正9年）7月9日：浜口停留場として開業
時期不詳：浜口町停留場に改称
1945年（昭和20年）8月9日：原爆投下により不通
1947年（昭和22年）5月16日：浦上駅前から大橋まで復旧、旧線を廃止
1988年（昭和63年）6月10日：下の川から当停留所までの区間で線路を移設
1990年（平成2年）11月30日：長崎西洋館がオープン
2000年（平成12年）7月14日：停留場の拡幅工事が竣工
2002年（平成14年）11月1日：下り長崎駅前方面ホームに案内放送装置を設置
2006年（平成18年）10月15日：構内の軌道の芝生緑化が完了
2018年（平成30年）8月1日：原爆資料館停留場に改称

構造

原爆資料館停留場は専用軌道区間に位置し、軌道は道路から独立しています。ホームは2面あり、南北方向に通じる2本の線路を挟んで向かい合っています。長崎駅前方面行きのホームと赤迫方面行きのホームがあり、それぞれ方面別に利用できます。

長崎駅前方面のホームには、日本語と英語による駅自動放送が流れます。また、国道との合流地点で軌道が歩道を横切るため、歩行者への警告として赤色灯とスピーカーが設置されています。

停留所は、1990年の長崎西洋館開館を受けて西洋風に装いを改めました。2006年には構内の軌道が芝生で緑化され、景観に配慮した設計となっています。

利用状況

長崎電軌の調査によると、1日の乗降客数は以下の通りです。

1998年 - 3,458人
2015年 - 2,100人

バス路線

停留所近くには、県営バスと長崎バスの原爆資料館バス停があります。以前は電停と同様に「浜口町」バス停でしたが、2024年（令和6年）4月1日に改称されました。

周辺情報

停留所のすぐそばには、複合商業施設の長崎西洋館があります。平和公園停留場との間では、本線の軌道が建物の中をトンネルでくぐり抜けます。ただし、長崎西洋館は2023年5月31日に閉館しました。

停留所の旧称は浜口町でしたが、所在地は川口町です。浜口町の町域は、国道206号を挟んで向かい側に広がっています。

長崎原爆資料館
国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館
長崎市平和会館
長崎市歴史民俗資料館
長崎大学医学部・歯学部・附属病院
浜口町商店街
プラッとモール長崎
エレナ プラっとモール長崎店

隣の停留場

長崎電気軌道

本線（■1号系統・□2号系統・■3号系統）

平和公園停留場（19） - 原爆資料館停留場（20） - 大学病院停留場（21）

1944年（昭和19年）までは、隣の松山町停留場（現在の平和公園停留場）との間に下の川停留場が存在していました。

原爆資料館停留場は、長崎の歴史と平和への願いを繋ぐ、重要な場所です。ぜひ一度訪れて、その歴史と風景に触れてみてください。

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