大学病院停留場

長崎電気軌道 大学病院停留場

長崎市浜口町に位置する大学病院停留場は、長崎電気軌道の主要な停留所の一つです。駅番号は21で、1号、2号、3号系統が停車し、長崎大学病院へのアクセスに欠かせない場所となっています。

歴史

この停留所の歴史は古く、その起源は戦前に遡ります。1915年（大正4年）11月に、長崎電気軌道の路線が開業した際、現在の位置からやや東寄りに「病院下停留場」が設置されました。この停留所は、当時の県立長崎病院（現在の長崎大学病院の前身）の利用者のために設けられたものです。路線は浦上駅前から専用軌道となり、病院下までを結んでいました。その後、停留所名は「病院前停留場」と改称されたり、「病院下」に戻ったりと、何度か変更がありました。

1945年（昭和20年）8月9日、長崎に原爆が投下され、長崎電気軌道の路線は全線不通となります。しかし、1947年（昭和22年）には、浦上駅前から大橋までの区間が復旧し、同時に線路は都市計画に基づき一直線に敷設されました。このとき、戦前の東寄りのルートは廃止され、新たに現在の場所に「岩川町停留場」が開業しました。その後、1954年（昭和29年）には、停留所は浜口町寄りに移設され、「大学病院前停留場」と改称されました。さらに2018年（平成30年）には、「前」の文字が外され、現在の「大学病院停留場」という名称になりました。

年表

1915年（大正4年）11月16日：病院下停留場が開業。
1920年（大正9年）7月9日：病院下から下の川までの区間が営業開始。
1923年（大正12年）：病院前停留場に改称。
1927年（昭和2年）：再度、病院下停留場に改称。
1936年（昭和11年）9月：再度、病院前停留場に改称。
1945年（昭和20年）8月9日：原爆投下により不通。
1947年（昭和22年）5月16日：浦上駅前から大橋までの区間が復旧。新線上に岩川町停留場が開業。
1954年（昭和29年）2月1日：浜口町寄りに移設し、大学病院前停留場に改称。
1999年（平成11年）11月17日：停留場の改修工事が竣工。
2018年（平成30年）8月1日：大学病院停留場に改称。

構造

大学病院停留場は、道路上にホームが設けられた併用軌道区間に位置しています。ホームは2面あり、相対式ホームとして、線路を挟んで向かい合わせに配置されています。東側が長崎駅前方面行き、西側が赤迫方面行きのホームとなっています。

かつては、ホームに横断歩道橋が接続していましたが、交通渋滞緩和のため1999年に撤去されました。同時に、ホームの延長や嵩上げなどの改修工事が行われました。

停留所の原爆資料館寄りには、上下線の渡り線が設置されています。これは、通常のダイヤでは使用されませんが、貸切車両や臨時便の方向転換のために利用されています。戦前の病院前停留場では、道路を挟んで上下線ホームが設けられ、上屋やベンチ、操車員の詰め所も設置されていました。

利用状況

長崎電気軌道の調査によると、1日の乗降客数は以下の通りです。長崎大学病院への通院者や見舞客の利用が多いのが特徴です。

1998年：3,044人
2015年：2,800人

周辺施設

停留所の周辺には、長崎大学病院をはじめ、長崎大学医学部・歯学部、長崎北郵便局などがあります。

その他の施設

福砂屋浦上店
山王神社（片足鳥居で有名）
活水中学校・高等学校
長崎県医師会館
浦上百貨センター
長崎自動車・長崎県交通局「岩川町」バス停

隣の停留場

長崎電気軌道

本線（1号系統、2号系統、3号系統）
原爆資料館停留場 (20) - 大学病院停留場 (21) - 浦上駅前停留場 (22)

大学病院停留場は、その歴史と周辺の重要な施設から、長崎市民にとって欠かせない公共交通機関の一部となっています。

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