原田治明

原田 治明は、1947年7月28日に東京都目黒区で生まれました。彼の父は、かつて大相撲の武隈部屋に所属し、十両力士として活躍した郷錦廣次です。

アマチュア時代

原田氏は荏原高等学校に進み、野球部に入部。中堅手として活躍し、3年生だった1965年には、後に巨人でもチームメイトとなる萩原康弘と共に、同校にとって初めての快挙となる第37回選抜高等学校野球大会への出場を果たしました。しかし、初戦となる2回戦で、福嶋久晃、得津高宏、加藤秀司といった実力者揃いのPL学園と対戦し、惜しくも4対2で敗退。同年夏の全国高等学校野球選手権大会の東京都予選では、準決勝で日大二高に敗れ、連続での甲子園出場はなりませんでした。

高校卒業後は駒澤大学へ進学しましたが、残念ながら腰の怪我に見舞われ、野球部を退部せざるを得なくなりました。その後、社会人野球に進み、日本コロムビアに所属しますが、チームの廃部に伴い三菱自動車川崎へ移籍。ノンプロの世界では、強肩好守に加えて優れた打撃力を誇る外野手としてその名を知られるようになります。特に1972年には目覚ましい活躍を見せ、都市対抗野球の予選では3試合連続本塁打を記録。本大会でも四番打者としてチームを牽引し、池田善吾や古屋英雄といった投手陣の力投もあって決勝まで駒を進めました。決勝戦では日本楽器のエース、新美敏から2安打を放つものの、チームは完封負けを喫し、惜しくも準優勝に終わりました。

プロ野球時代

1972年のプロ野球ドラフト会議で、読売ジャイアンツから4位指名を受け入団。左の即戦力として大きな期待が寄せられました。プロ入り1年目の1973年から一軍に定着し、右翼手や左翼手として17試合に先発出場。時には、当時球界を代表する存在であった長嶋茂雄、王貞治という「ONコンビ」の後を打つ五番打者としても3試合に起用されるなど、存在感を示しました。プロ初出場は1973年5月15日の対広島戦（郡山球場）で代打として、初先発出場は5月17日の対広島戦（岩手県営野球場）で2番・左翼手として記録しています。プロ入り後、初めての安打は5月26日の対大洋戦（川崎球場）で小山正明投手から、初打点は翌27日の対大洋戦（川崎球場）で竹内広明投手からの右前適時打で記録しました。そして、プロ初本塁打は6月19日の対中日戦（中日スタヂアム）で、森昌彦選手の代打として出場し、渋谷幸春投手から右中間へ同点ソロ本塁打を放ちました。

しかし、当時のジャイアンツ外野陣には、高田繁、柴田勲、末次民夫といった不動のレギュラーが存在しており、その牙城を崩すことは容易ではありませんでした。原田氏は次第に、主に代打としての出場が多くなります。代打としての役割を高いレベルでこなし、特に1976年の阪急ブレーブスとの日本シリーズでは、代打として4打数2安打2四球と結果を残し、チームに貢献しました。

引退後

1981年のシーズン開幕を前に現役を引退。その後は、読売ジャイアンツの打撃コーチを務めました（1982年-1985年）。コーチ退任後も球団に残り、選手寮の寮長や球団運営に関わる編成部を歴任。裏方としてチームを支え続け、2007年までその任にありました。球団を離れた現在は、東京都内の株式会社で統括部長を務めています。

現役時代の背番号は「33」（1973年-1981年）。コーチ時代は「70」（1982年）、「84」（1983年-1985年）を使用しました。プロ入り当初の登録名は「原田俊治」（1973年-1975年）でしたが、1976年からは本名の「原田治明」に変更されています。

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