原田茂生

原田茂生（はらだ しげお）

プロフィール

原田茂生は、1932年8月6日に高知県高知市で生まれ、2017年12月12日に老衰のため85歳で逝去した、日本のバリトン歌手です。東京芸術大学と尚美学園大学の名誉教授であり、二期会会員としても知られています。

学歴と留学

1955年に京都大学工学部を卒業後、音楽の道に進み、1960年に東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業しました。伊藤武雄、矢田部勁吉、中山悌一といった著名な声楽家に師事し、声楽の基礎を築きました。1961年にはDAAD奨学生としてドイツへ留学し、ミュンヘン音楽大学とベルリン芸術大学で研鑽を積みました。

音楽活動

1965年からは、ドイツ・プフォルツハイム市立歌劇場の専属バリトン歌手として活躍し、『セヴィリアの理髪師』のフィガロ役でデビューを果たしました。1969年に帰国してからは、二期会を中心にオペラやオラトリオ公演に多数出演しました。

特にドイツ歌曲のスペシャリストとして知られ、国内外で数多くのリサイタルを開催しました。また、『美しい水車小屋の娘』、『冬の旅』、『シューマン歌曲集』、『R.シュトラウス歌曲集』など、ドイツ歌曲のCD録音にも力を注ぎました。

教育活動と翻訳・編纂

後進の指導にも熱心で、1969年から2000年まで東京芸術大学で講師、助教授、教授を歴任し、多くの優れた歌手や音楽教育者を育成しました。また、オペラ研究部長、学生部長、音楽学部長、演奏芸術センター長などの要職も歴任しました。東京芸術大学退官後は、2000年から2004年まで尚美学園大学芸術情報学部長を務めました。

原田茂生は、ディートリヒ・フィッシャー＝ディースカウの著書である『シューベルトの歌曲をたどって』、『シューマンの歌曲をたどって』(白水社)といった書籍の翻訳も手掛けました。さらに、『シューベルト歌曲選集』(I,II,III)や『イタリア古典声楽曲集』(I,II)(教育芸術社)などの楽譜編纂も行うなど、幅広い分野で活躍しました。音楽評論にも携わり、『レコード芸術』などの音楽雑誌で新譜CDの批評も担当していました。1987年と1992年には、州立シュトゥットガルト音楽大学とベルリン芸術大学でドイツ歌曲解釈の特別講座を開講し、その知識と経験を後進に伝えました。

晩年

2017年12月12日、老衰のため逝去。85歳でした。

外部リンク

原田教授ドイツ歌曲のページ

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