原美樹子

原美樹子について

原美樹子（はら みきこ）は、1967年に富山県で生まれた日本の写真家です。彼女は独自の写真表現として、ノー・ファインダーと呼ばれる技法を用いて、視界の制限を超えたスナップショットを撮影しています。この手法は、一般的なファインダーを使用せず、被写体を直感的に捉えるスタイルであり、特に1930年代のドイツ製クラシックカメラを使って作品を制作しています。彼女の作品は、日常の瞬間を捉え、その背後にある感情や物語を引き出すことに特化しているのが特徴です。

略歴

原の学歴は、1990年に慶應義塾大学の文学部を卒業した後、1994年に東京綜合写真専門学校の第二学科を卒業。また、1996年には同学校の研究科を修了しました。彼女は写真界に足を踏み入れたすぐ後に、第13回キヤノン写真新世紀展で佳作を受賞し、同年の第8回ひとつぼ展においても入選するなど、その才能を早くから証明しています。

2017年には、写真集『Change』を発表し、この作品で第42回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。この受賞は、彼女のキャリアにおける一大転機となり、広く評価されるきっかけとなりました。

展覧会の歴史

原美樹子の活動は個展とグループ展の両方にわたります。初の個展は1996年に東京のギャラリー・ル・デコでの「Is As It」で、その後も銀座ニコンサロンの「Agnus Dei」や新宿コニカプラザの「うつろの製法」など、東京都内を中心に数多くの展覧会を開催しています。特に、「発語の周縁」や「hysteric Thirteen出版記念展」、「Humoresque」などの展覧会では、彼女の作品が注目を集めました。

また、国内外でのグループ展にも積極的に参加しており、1997年にはフランスのアルルで開催された「L'INCONSCIENCE ET LES REGARDS」や、2003年にはハンブルクでの「JAPAN - Keramik und Fotografie - Tradition und Gegenwart」展にも出品しています。これらの展覧会を通じて、彼女の作品は国際的な舞台でも評価されています。

写真集

原美樹子は、これまで2冊の写真集を発表しています。初の写真集である『hysteric Thirteen Hara Mikiko』は2005年に発売され、彼女の独特な視点が表現されています。続いて2016年には『Change』を出版し、この作品は彼女の写真家としての成長と変化が反映されていると言えるでしょう。

まとめ

原美樹子の作品は、従来の写真技法から逸脱したアプローチが特徴であり、彼女のノー・ファインダー技法は、多くの観客に新たな視覚体験を提供しています。写真の根底にあるストーリーテリングを重視する彼女の姿勢は、今後の日本の写真界においても注目され続けることでしょう。

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